お金がなくなっちゃいました①
初めまして、HARUと申します。
このお話は私が以前からあたためていたネタの1つです。
かきたいモノをかきたい時に好きなだけ、というスタンスですがこれから頑張りたいと思います。
このお話はあらすじにもあるように『ライト』と『リン』兄妹による異世界旅行ものです。
なぜ世界を渡り歩いているのか、兄妹の過去、兄妹を取り巻く人々との出来事などを、これからも、かけると、いいなあ・・・
お楽しみいただければ幸いです。それではいってらっしゃい
「・・・お金がない」
彼は呆然とつぶやいた。彼はこの危機を実は何度か経験しており、そのたびになんとか乗
り越えてきた実績を持つため大きな焦りはないが、楽観できるほどのんきな状況でもない。金がなければ基本何も出来ない。少なくとも彼の『趣味』に金は必要不可欠だった。
「・・・・・・・妹にたかるか」
そして彼は基本クズだった。
「リン~~おこづかいちょうだーい」
向かったのは彼がいた部屋の隣。ドアを開けるとカウンターやシンク、数多くの食器や何
かがはいった瓶やらなにやら色々なものが彼の目に飛び込んできた。そしてカウンターの
向こうには三人の男女。一人の女性は立っているが、もう二人はカウンター席に着いている。
「お兄ちゃん!!今月のお小遣いは2週間前にあげたでしょ!」
『リン』であろう立っていた女性が彼の言葉に応えた。その声は彼女にしては少々大きいものであり、怒りと呆れを多分に含んでいた。
「はは、ライトは相変わらずだなあ」
「どっちが上かわからないわよね。外見との相乗効果で」
残りの二人もそれぞれ反応する。この二人の前にはそれぞれ食べ物と飲み物が置かれて
いた。
「あ~ホットドッグだ~おいしそ。ミオさんはミートソースパスタ?」
「そ。ここのこれとカスタードババロアが食べたくてね、遠路はるばる来ちゃった」
「どうも~。ミオさんあとカフェオレも好きだよね~ミルク多めの」
「ただいま美味しく頂いてます・・・ってね」
「レンのは何それ?めっちゃ透明感のある赤・・・イチゴジュース?」
「いや、フラメテ産茶葉を使ったアイスティー」
「え、リンいつの間にそんな茶葉仕入れたの?」
「一ヶ月くらい前からメニューに加えてるわよ。ていうかお兄ちゃん、レンさんやミオさんは常連だからまだしも、いやほんとは良くないけど、さっきみたいなこと言って勝手にここ入ってくるのはやめてちょうだい!あとお金もう使っちゃったの?」
「うん」
「なんだ?またなんか変なモンつくったのか?」
『レン』と先ほど呼ばれた男性が『ライト』にからかうようにしゃべった。
「変なモンってなにさ。ちゃんと実用的だよ」
「へえ~何?」
「まさか大量殺戮兵器じゃないでしょうね?」
『ミオ』が眉をひそめる。彼女は武器が嫌いだ。憎んですらいる。ライトと初めて会った
頃はひどかった。『鬼ごっこ殺人未遂事件』の話は今は割愛する。
「ううん違う。武器ですらない」
「じゃあ何?」
「ペットロボットうさぎバージョン」
「へえ・・・ウサギ・・・あれ?」
「え?『兎』ってあの希少小型動物のことよね?」
「何が出来るんだそのロボット」
「おしゃべりできる。覚えさせれば多少の家事も可能。あと戦闘モードと自爆機能付き」
レンは紅茶を吹き出した。そしてリンとミオはそれぞれ持っているものを床に落とした。
「レン汚い。あとリンとミオさん落としたよ」
「いやいやいや!!!ちょっと待て!!自爆!?自爆っていったか!?なんちゅーもんつけてんだ!!」
「兎かわいそう!!ってか戦闘させる気満々じゃない!!それ実質武器よ!!」
「その前にお兄ちゃん!そういえばウサギロボットつくるの初めてじゃないよね!?前にもつくってなかったっけ!?」
「うん。14号目」
-これは武器スレスレの色々なモノを考え、ひたすらつくることが『趣味』の変人『ライト』と、『ライト』の妹でカフェを営む『リン』を中心とした物語。
彼らを通して“様々な世界を視る”物語である-
短いですがひとまずここで終了です。
あまり異世界設定出せなかったな・・・というのが今回の反省点。
作中に出てきた『フラメテ産茶葉』の『フラメテ』は、今後本文にも書きますが、今現在兄妹たちが滞在している世界の中にある国の名前です。
この世界で兄妹たちはどのような行動をするのか。
それはまた次回。