五話
翌朝、僕達はギルドに来ていた。ギルドに入ると、他の冒険者達が、僕達を見て話しているのが聞こえた。まあ、僕は気にしないんだけど、真侑の事を話している男の冒険者に対してはかなり厳しい視線、いや殺気を放って、向けられた者は萎縮してしまっていた。
「まぁまぁ、蓮くん、相手にするだけ意味無いから、依頼の掲示板を見に行こうよ?」
真侑が宥める。
「そうだね! 確かに、相手にするだけ無駄だったね」
僕達は、依頼掲示板に向かった。
「僕達のランクで受けられる依頼は、薬草採取位だね。もう1つランク上げるとゴブリン討伐なんかが受けられるみたいだ」
「そうだね。とりあえず、薬草採取をちゃちゃっと片付けて、ランクを上げよう!」
僕達は、薬草採取の依頼票をペリッ!と剥がして依頼受付に持って行き、依頼受注の受付を済ませ、採取場所に向かった。
「思ったより、早く終わったね?」
「そうだね」
僕達は、午前中だけで薬草採取を済ませ(大概は半日を費やすらしい)、昼食を摂っていた。(宿で昼食のサンドイッチを作って貰っていた)
「真侑、こちらにゴブリンの群れが近づいて来ているよ? 30匹位」
「そうだね。やってしまおうよ?」
「了解」
僕達は、昼食を食べ終え、食後の運動とばかりにゴブリンの群れに近づき、超光速で近づき剣に闘気を纏わせ振るう、真侑は風属性の魔力を杖に纏わせ振るう。
「グギャッ!」
「グギャーッ!」
ゴブリン達は、僕達を認識した頃には、全員、頭と胴体を分離させられていた。
「とりあえず、魔石を回収して、他は燃やしてしまおう」
「了解。“炎球”!」
魔石を回収した後、真侑が炎の玉を放ち、遺体を燃やした。
「こちらが報酬です。ゴブリン討伐の報酬に関しては、申し訳ございませんが依頼外のものとなりますので、3/4となります。ご了承ください。」
「はい」
僕達は、報酬を受け取り、ギルドを後にした。
「まあ、最低ランクだから仕方ないけど、報酬が少ないね?」
真侑が苦笑しながら話しかけて来る。
「そうだね。早くランクを上げて、報酬が高い依頼受注できるようにしよう」
「うん!」
僕達は、出発する予定前日迄依頼をこなした。