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責任
それから柚ちゃんとの共同生活が始まった。
私と千晴の言うことは全部嫌々行う。
「あや乃の妹の柚ちゃん、大丈夫やろか」
「ほんまに。一昨日から三味線と舞の稽古始まったみたいなんやけど復習してるの見かけてないし、第一、お師匠さんの言うことちゃんと聞いてはるんかなあ」
二人でため息をつく。
「あや乃〜ちょっとよろしいか」
一回から政友さんの声がした。
「ちょっと呼ばれたから行ってくるわ」
「行ってらっしゃい」
千晴の部屋から出て、階段を降りた。
「政友さん、どないしたんどすか」
「ちょっとそこ座ってもらってもええ?」
指定されたのは、机を挟んで政友さんと向かい合わせになる桃色の座布団の上。
本当はちょっとドキドキしてもいいはずなんだけど嫌な予感の方が強い。
「柚のことなんやけどな」
一体何のことなのだろう。
「踊りの方は得意みたいでお師匠さんから何も言われてないんやけど、三味線のほうがな、苦手みたいなんや。そんでお師匠さんからしばらくは稽古に姐さんを連れてくるように言われたんで、お願いします」
「わかりました」
「もう少ししたら踊りの稽古から帰ってきはると思うんやけど、その後すぐ三味線の稽古や」
「へえ」
柚がこんなことになっているのは、かなり、私の責任だ。




