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平助過去篇
黄金色した雲がぽっかりと浮かんでいる、夕暮れ時。
政秋と二人で河原に並ぶ。
「俺、もっともっと強くなりたい」
夕日が照らす友の横顔は、なんだか大人びて見えた。
「強くなって、この町を、身近な人たちを守れるようになりたいんだ」
この男は、強い。しかし、それ以上に優しいのだ。
「じゃあ、俺はこの国を変えるよ」
思わず言葉が口に出た。
それでも、この人の前だったからなんとなく恥ずかしくはなかった。
「それ、いいな」
政秋の頬の右側にこじんまりとしたえくぼができる。
「俺たちなら、どんな国だって作れるような気がするよ」
この台詞を言ったのは、俺だったか、それとも政秋だったか。よく覚えていない。
それでも一つ覚えているのは本気だったということ。
少年というのは無邪気で、絶望を知らない。
だからどんな夢だって見られた。
二人でいればなんだって怖くない気がしていた。
あんな日が来るなんて、思ってもいなかった。




