表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/47

平助過去篇




父親に連れられてはじめて政秋の道場に出稽古に行ったときのことだった。


「ちょっと来いよ」


声をかけて来たのは自分よりもずっと体の大きい先輩三人組。

すこし怖いけど、行くしかないとついて行く。


「お前、どこの誰なの?」


「えっと……」


六つの目が一気に自分を睨んでくるのが、恐ろしく怖くて、声がうまく出ない。


「早く答えろよ、チビ!」


「言葉もうまく喋れないやつはここにくる資格ねえんだぞ!」


三人組で一番背の高い男が木刀を振りかぶった。

自分は丸腰だ。対応できるわけがないから、ただ痛みに耐えようと思った。



–––––––––その時だった。



「資格がないのはどっちだよ」


後ろからすこし高い声が聞こえて来た。


振り返るとそこにいたのは一人の少年。たぶん、年は同じくらいだ。


「またお前か」


背の高い男は振りかぶってた木刀を収め、ため息をついた。


「おい、こいつが来たらめんどくせえ。戻ろうぜ」


そして怖い三人組は裏庭から去って行った。




「一番背高い奴いただろ、あいつ陣内って言うんだ。

いつも出稽古とか見学に来た自分より年下の人をいじめてる。気にしなくていいからな」



「助けてくれてありがとう」


ところで、と彼は付け加えた。


「俺、掛里政秋っていうんだ。君の名前は?」


心臓が、どきどきする。


「藤堂平助。平助ってよんで」


「よろしくな、平助」



黄昏時の金色の光を背に微笑んだ政秋は、なんだかとてつもなく逞しく見えて、その日から俺の憧れになったんだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ