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京の四季
「今晩はここのお座敷やからな。お客さん方は、新選組の方や。失礼のないように」
お座敷に上がる前に政友さんから注意を受ける。
新選組、ということはもしかして藤堂さんもきてたりするのかな。
「そろそろ時間どすね」
姐さん、千晴ちゃん、私といった順番でお座敷に上がる。
「こんばんは。こと乃どす。よろしゅうお頼み申します」
「千晴どす。よろしゅうお頼み申します」
「あや乃どす。よろしゅうお頼み申します」
挨拶をすると、新選組の方達は拍手をしてくれた。
この集団の平均年齢は恐らく二十一、二といったところだろう。
そのなかに、藤堂さんを見つけた。
そして、ふと政友さんが思い浮かぶ。かつての仲間、いやライバルがこうして自分の店にいるのをどう思うのだろうか。
ところで、挨拶を済ませて舞を披露することに。
演目は『京の四季』。
京都の風情が歌われている唄だ。
『思いぞ積もる円山に 今朝も来てみる雪見酒』
私が三味線を弾いて、歌うだけではこの唄は出来上がらない。
演奏と一緒に、姐さんと千晴ちゃんの手先が、体が歌詞の一つ一つを丁寧に作り上げて、初めて完成なのだ。
最後の弦を弾いて、演奏が終わる。
二人がお辞儀をする。
お座敷に拍手が響いた。




