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平成と変わらない
「こと乃さん姐さんとあや乃とのお座敷、楽しみやわ〜」
化粧部屋でるんるんの千晴。
今日はここ、室屋の一階のお茶屋になってるところで、お座敷がある。
私も準備をしようと鏡の前に座って準備をする。
着物に身を包んで、紅を引いて、かんざしを刺したら、『芸妓 あや乃』の出来上がり。
鏡に映るいまの私には、「卍」だとかいわゆるJK言葉よりも京言葉の方がしっくりくるし、左手はコーヒーショップのフラペチーノなんかを持つよりも、着物の褄を取るほうがよっぽど似合う。
顔立ちはそこまで変わっていないのに、不思議だ。
でもね、
「あや乃、今度のお休みの日一緒におまんじゅう食べに行かへん? 美味しいとこあるってお客さんが教えてくれはってん」
おまんじゅう、食べたい。
「行こう行こう!」
友達との会話だけは相変わらず楽しい。
二人で会話に花を咲かせていると。
「あや乃〜、千晴〜。そろそろ時間や。降りてきよし」
下から姐さんの声がした。これは、まずい。
「すんまへん、姐さん! 今行きます」
千晴と二人で慌てて返事をした。
こんな日常も、平成と大して変わらない。




