表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/47

政友過去編




あれは、俺が室屋政友になる前。まだ掛里政秋(かけざとまさあき)だった、十四歳の夏のこと。確かに、憶えている。


「政秋に今日も勝てなかった! 強すぎる」


幼い頃からこの道場に出稽古にくる、藤堂平助。今やもはや泣く子も黙る新選組の組長だ。じつは昔は俺の方が強かったんだ。


「平助打ちが早くなった気がする。打たれないかひやひやしちゃった」


「ほんとう? 嬉しいなあ」



そして、平助は俺の大事な友達のひとり。


自分の父親が営むこの道場での毎日はなかなか楽しかったけれど。


「政秋はいいよな、館長先生の息子だから贔屓されてるんだろ!」


五歳ほど年上の陣内という男からのあたりはすごく強かった。


まあ、ほかにも道場の跡を継ぐことが決まってる俺を妬むような人たちは何人かいたわけだけど、この人は特にひどかったんだ。



ある日。


「なあ、政秋。ちょっと頼みがあるんだけど」


陣内に声をかけられる。正直鬱陶しいけれど無視するわけにはいかない。


「大通りの八百屋の裏にある路地に人を待たせてるんだ。

『陣内は来られなくなった』と伝えてきてくれないか」


さすがにそれは面倒くさい。


「自分で行ってくださいよ」


「いや、政秋が行ってくれ」


「いやです」


「お前とその人を合わせたいんだよ」


「……わかりました」


ここで、折れたのがいけなかった。

ここで、はっきりと断っていたら、俺の今は変わっていたのだろうか……。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ