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お座敷
今日は料亭でのお座敷。
立方であること乃さん姐さんと二人で呼ばれた。
「こんばんは、おおきに。おたの申します」
ちなみに、今日のお客さまは私と同い年くらいの娘さんと、それよりも年下くらいの男の子に、三十過ぎくらいの夫婦。
実はこの時代に来るまで知らなかったのだが、島原には老若男女いろんな人が遊びに来る。
そして、みんな楽しそうに笑ってくれる。
このお客様は娘さんが江戸のお家に嫁ぎに行くお祝いとして島原へきたということで、祝いの舞を披露させていただいた。
普段は使わない、松が描かれた扇子を使う舞で、とても綺麗なんだ。
「ご結婚おめでとうございます」
日本酒を注ぎながら、娘さんに声をかける。
「おおきに」
にっこりと笑った顔はどこか寂しそうだった。
「どんなお方なんですか?」
「優しくてお強い、美男子です。
せやけど、お嫁に行ったら家族にはもうなかなか会われへんて思うと寂しゅうてかなわへん」
やっぱり、家族はいつの時代も大事なんだ。
「素敵なご家族ですもんね」




