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最後の赤雪姫
眠たい目をこすりながら、赤雪姫は歩いていた。
それに気づいた狩人は赤雪姫をベッドに連れて行こうとした。
赤雪姫はそれを嫌がった。
「まだここに居るの」
「眠くないよぉ」
しかし、体は正直なもので、力は抜けて地面に座り込んだ。狩人から離れようとした腕も、挙げることなく、だらりとしていた。
口は相変わらずもごもご動いているが、何を言っているのか分からない。
まぁ、自分に反抗しているのは確かかもしれない。
狩人はそう思った。
ゆらゆら揺れている赤雪姫を抱き上げ、城の中へと戻った。
腕の中、まだ寝言を言っている赤雪姫を愛おしいと思った。