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魔法の鏡の答え
いつものように、魔女は鏡に向かって尋ねました。
「鏡よ鏡。世界で一番美しいのはだぁれ?」
「それは、忘れられた城で暮らす赤雪姫
……の妹です」
魔女は驚きました。
忘れられた城で暮らす赤雪姫はどうなってしまったのでしょうか。
あの可愛らしい赤雪姫のことを思うと、いてもたってもいられなくなりました。
魔女は元の姿に戻り、城へ向かいました。
城は、しんとしていました。
……いいえ、しんとしていただけではありませんでした。
城の壁は黒ずんでいます。
そして、この臭い。肉が焼けた異臭がしました。
そこへ、一人うつむきながら歩いて来る狩人の姿が見えました。
左手に花を握っていました。
いつもそばにいた、赤雪姫の姿がありません。
狩人は魔女に気がつくと、申し訳なさそうな顔をして涙をこぼしました。
狩人は今まであったことを、ぽつり、ぽつりと話し始めました。