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赤雪姫と魔女と狩人
父親は衰弱していた。何とか白雪姫を守ろうと、この城を捨てて、何処か別の場所へ移った。
王子も、何処かへ旅立った。白雪姫の父親が、そう望んだためだ。
騎士も、どこか別の所へと姿を消した。
城の門は閉められ、出入りはできなくなった。
食料も底を尽き、赤雪姫は倒れた。
そこへ、あの狩人がやってきた。
赤雪姫に食べ物を与えた。
それは、忘れ去られた魔女の部屋から持ち出されたものだった。
赤雪姫はひったくって頬張った。
赤雪姫は、幻覚を見る。
狩人はその事を重々承知している。
皆そのことで逃げ出したのだから。
だが、赤雪姫は大人しかった。
幻覚も、一切見ないようになっていった。
母親を埋めた墓に、花を添える赤雪姫。
何故、母親が死んでしまったのか。
そう聞かれても、狩人は答えることができなかった。
赤雪姫が自分を呪い、自分を殺しかねない…から。