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赤雪姫と呼ばれた日
翌朝。
目覚めた白雪姫は、みんなの様子がおかしいことに気がついた。
「姫様が逃げ出した…」
そんなことを言っていた。
白雪姫は、姉の白雪姫の存在を知らなかった。
だから不思議だった。
姫様は自分ではないのか?
そう思っていた。
母親も、父親も、王子も、白雪姫を守った。
魔女は呪文を唱え、脱走した少女の居場所を割り出そうとした。
騎士は城の中の見回りをした。
狩人は、少女が外に出ないように門を見張っていた。
“姫様を捉えるように”
という命令は、日を追うごとにつれて、いつしか
“姫様を殺せ”
という命令に変わっていった。
その間、白雪姫を除く皆は、夜もおちおち寝ることができなかった。
少女は、捕まらなかった。
そんな中、事件はおきた。
母親が殺された。
顔の形がわからないほど、刃物で滅多刺しにされていたのを、騎士が見つけて知らせてくれた。
そばには、脱走した少女がいたという。
顔も、髪も、服も、血で染まって赤かった。
「…赤雪姫」
皆は、そう呼んだ。