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白雪姫の城
白雪姫には母親・父親がいた。
城に住んでいる者はたくさんいた。
優しいお爺さん、お婆さんもいた。
魔女がいた。
騎士がいた。
王子がいた。
そして、狩人もいた。
魔法の鏡も…あった。
幸せな毎日を過ごす白雪姫。
その幸せは、永くは続かなかった。
ある新月の夜。
一人城の中を歩く白雪姫は、偶然、扉を見つけてしまう。
城の奥深くにある、錆びれた扉。
まさにそこは、白雪姫の姉・幻覚を見る少女を閉じ込めている所だった。
微かな物音がする部屋に、白雪姫は興味があった。
鍵はすぐそばにあった。
ゆっくりと扉を開く。
暗くて、中はよく見えない。
白雪姫は、このことは皆に黙っておこうと思った。
叱られると思ったからだ。
灯りも無い部屋は、物置かなにからしく、白雪姫は何かにぶつかった。箱みたいだ。
痛かった白雪姫は、早々に部屋を出て、鍵を閉めた。
何か、また物音がした。