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64.学級崩壊



 こちらの世界のアイドル事情、キッチリと芸能事務所に所属して、ステージに立つのが王道。

 地下アイドルと言う物は存在していないようだ。


 新川カイトの世界ではアルファベット3文字のアイドルグループが握手会で存在感を示し、その後を坂道の名前が引き継いだ。


 専用の劇場が有って、

“会いに行けるアイドル”

 が売りだったのだけど、こちらの世界でも、会いに行けるアイドルがいれば、人気者になれるのにね。



「お兄ちゃん、大丈夫? もう学校だよ」


葵咲あおい、すまない、ちょっと考え事していたよ」


「芸能界だから、色々悩みが有るかも知れないけど、迷ったらわたしに言って」

 可愛く右手を握ると、自身の胸を軽く叩く、う~ん、頼りにならない様な。


「それじゃあさぁ、葵咲あおいはアイドルになりたいと思う?」


「それは無いですね、わたしはお兄ちゃん専用のアイドルですから」

 ドヤ顔の妹。


 その後、急に恥ずかしくなったのか、真っ赤な顔して、駆けて行ってしまった。



 ▽▽



 月曜の学校、忙しい芸能生活と、ただれた夜の生活は一区切り、普通の生活が嬉しく感じる、昇降口にはいつものリンちゃん先生ではなく、担任の梅子先生が立っている。


「荒川、ついて来い」


 一切の質問を許さない口調で職員室の隣にある会議室に連れて来られた、部屋には野バラちゃんと紅葉ちゃん達が待っていたけど、これってどう言う状況?


 その後月華アンズちゃんや、五月雨春菊ちゃん達が入って来た、


「うむ、これで全員揃ったな、女子七人、男子一人、これが新生月組だ


「先生、意味が分かりません、他の子達はどうしたのですか?」


「そうです、鈴蘭すずらんは昨日からメールもメッセも繋がらないし」

 紅葉ちゃんと鈴蘭すずらんちゃんは仲良しだったよね、


「まずはここにいない全員、副担任も含めて、家庭の事情で急きょ引っ越した事になっている、言っている意味は分かるな」


「つまり妊娠が確認されたと言う事ですね」

 吹部の淡月ナデシコちゃんが言うが、梅子先生の表情は崩れない、


「さて生徒八人ではクラスとして少な過ぎるかもしれないな、だが今いない生徒達は休学中だ、いずれは戻って来るものとして扱うので、クラス編成はこのままで……」

 ドアが開いて、梅子先生を手招きしている職員。


「おっと、すまん、急ぎの用事だ、お前達しばらく待っていろ」



「カイト、凄いな、お前の事を“種なし”なんて呼んですまなかったよ」


「そうですよ、月夜野も千里月も一回だけじゃない?」


「そう言えば星組も半分くらい休みだって言っていましたよ、カイト君、星組の子達とも

仲良しでしたよね」


「だったら星組と一緒になるのかなぁ」


「えー、さっき梅子、月組はこのままで行くって言ったよね」


「羨ましいはずなんだけど、ちょっと早い様な」



 頭の中が整理出来ない、高校生活をやり直し、絶対モテルと言う緩い環境で女の子とデートをしまくった、コンビニバイトに明け暮れていた青春を取り戻したい気分だった。


 妊娠の心配なく女の子を変えてエッチをしまくる、そんな異常な状態が慢性になっていた、好事魔多しとでも言うべきか、しっぺ返しがやって来た。


 俺と仲良くした子の、かなりの数が妊娠していたと言う、妊娠率は50%を余裕で超えているよ、そんな簡単に子供は出来ないはずでは。



「どうしよう、俺は女の子達を傷つけちゃった」


「相変わらずカイト君は優しいね」

 テニス部のヒナゲシちゃんが言う、


「優しくって言うか、女の人達全員に謝りたい気分なんだよ、まさか出来ちゃったなんて、分かっていたら避妊でも何でもしたのに」


「カイト、そんな事言ったら逮捕案件だぞ」


「野バラちゃん、怖いよ~」


「野バラの言っている事は本当ですよ、今の世界では一人でも多く自然妊娠をして男児を増やさないといけないんですから」

 優等生らしいレンゲちゃん。


「今更だけど、みんなの気持ちを聞きたいんだけど、女の人に独占欲って無いのかな?」


 みんな思うところが有ったのだろう、赤い顔して下を向いてしまった、そんな中声を上げたのは紅葉もみじちゃん、


「うんとね、これは小学校で良く教えられた話なんだけど、男の人は焚火みたいな物なの、寒い時にはみんなで火を囲めば暖かいでしょ、だけど一人だけ前に出て火を独占しようとすると、やけどをしちゃうの」


「つまり男が焚火で、女の人達は周りで手をかざしているって言う訳?」


「まぁ、そう言う事、だからカイト君はわたし達の事なんて気にしないで、大勢と楽しめば良いんだよ」



 ▽



 しばらくすると梅子先生が背の低い子を連れて戻って来る、


「すまない、待たせたな、さて副担任も交代と言う事になった、新しい副担任を紹介しよう、水無月みなづき桜子先生だ」


 新しい副担任を紹介する梅子先生、どことなくリンちゃん先生に似た雰囲気を持つ水無月みなづき先生、低身長ロリ顔巨乳だからだろうか。


「始めまして、わたし水無月みなづき桜子と申します、皆さんよろしくお願いしますね」


「それでは個別HRを行う、水無月みなづき先生、荒川をお願いします」


「はい、霜月先生」


 ああ、そう言えば梅子先生は霜月梅子って名前だったね、そんな事を考えているうちにロリ巨乳先生が俺の前にやって来る、


「さぁ、荒川君、行きますよ」




 皆さんの想像通り、カイトには子種が有ったと言う設定です。

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― 新着の感想 ―
焚き火の比喩うまいな〜
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