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貞操逆転世界で好き放題  作者: miguel92
メイド編

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37.ちょいブス後輩の爪痕

 デートの前は身体の手入れを欠かさない、礼儀です。



 信濃蘭ちゃんと再デート、最初のデートはボランティア活動の帰りで学校指定の芋ジャージでカフェに連れて行くと言う、恥ずかしい思いをさせてしまったので、お詫びだよ。


 今日は何日も前に予定を入れておいたので、中学生は背伸びした服と気合の入った髪型している、

 なんと今日はデートの準備の為に学校を休んだというではないか、気合が入り過ぎだよ。


「……カイト先輩に会えるのが嬉しくて、昨日の夜は眠れなかったのですよ」


「蘭ちゃん、嬉しい事を言ってくれるねぇぇ」

 そう言いながら、緩くカールした前髪に手を伸ばし、指先でもて遊ぶと、中学生もまんざらではないと言った表情。


「あのですねぇ、今日は下着着ていないんです」

 少し頬を赤らめて言う女の子。


「どうして、ちゃんと着ないとダメだよ」


「その、下着の痕が残るのは失礼かと思って…… えっと、今日も連れて行ってくれますか?」


「そんな事言われたら、俺も頑張っちゃうぞー」


「ありがとうございます、それとですねぇ、今日は…… しっかり ……剃ってありますから」

 もはや真っ赤な顔になって下を向いてしまった蘭ちゃん、イジワルしちゃおう。


「どこを~」


「もう、カイト先輩はイジワルになりましたね、良いです、わたしも先輩にイジワルしますから覚悟しておいてくださいね!」



 ▲



「先輩、すいません、わたし興奮して背中を思いっきり掴んじゃって、痕になっていませんか?」


「女の子の爪痕は男の勲章だから気にしないでいいよ」


「だけど、わたしおねだりまでしちゃって、カイト先輩、身体大丈夫ですか?」


「全然ヘーキだよ、欲しがり蘭ちゃん」


 ベッドの上ではワガママ後輩、

“もっと、もっと”

 を連発していた女の子、今は自身の痴態を思い出し、真っ赤な顔している。



「あとですねぇ  ……  わたし変な声を出していませんでしたか?」


「 …… コーヒー飲みに行こうか」


「ちょっと、先輩、わたし変だったんですね、変な声を出していたんですね、そうなんですね……」



 ▽



 マグカップを挟んで女の子と向き合う、この時間が一番楽しい。


「実はですね、カイト先輩に相談と言うか、報告が有ったんですよ」


「どんな話かな?」


「わたしにスタリオン学園入学の話が来ていたんですよ、成績はともかく、この顔でおかしいですよね」


「それじゃ、春からはスタリオン学園に行くの?」


「いえ、結局断っちゃいました、だってスタリオンの男子って凄い乱暴みたいだし、ママみたいに人工受精で女の子を育てる方が幸せじゃないかと思ったんですよ」


 自然交接で男の子を授かるのが女の幸せだと思っていたけど、男の子を産むのは本当に幸せなのか?


 贅沢な生活が出来、新たな人脈を築けるけど、実の子とは引き離されるし、以前の人間関係がリセットされてしまう。


 それなら今まで通りの人間関係を維持したまま、娘を育てるのが女の幸せなのかもしれない。




「それが蘭ちゃんの選択なら尊重するよ、ところで全然話違うけど、この前行ったアルトの家はお金が足りないの?」


「ええ、わたしは何回も行っていますけど、食費とか最低限のお金しか無いらしくて、服なんてお下がりを着るのが当たり前だし。

 あっ、ほら、この前ノートとかオモチャをあげたら凄く喜んでいたじゃないですか」


「俺は男に産まれたと言うだけで、広い家に住んで、良い暮らしをしているのに心苦しいよ」


「そう思うだけで、カイト先輩は立派な人ですよ」


「それでだけどね、これをアルトの家に届けて欲しいんだ」

 俺は封筒を差し出す、バイトでもらった“おひねり”だよ。


「ちょっと、こんなにたくさん」


「俺からだと言う事は黙っていて欲しいんだ」


「どうしてですか? 立派な事ですよね」


「通りすがりの人に貰ったという事にしておいてくれないかな?」


「まるで“あしながオバサン”ですね」

 世界は違っても同じ様な話があるんだね。


「へぇー、そんな話があるんだね」


「カイト先輩、わたし一人でこんな大金を持つ訳にはいかないので、部長の駿河を呼びますけど、良いですね」


 ▽


 中学生が持つには不釣り合いな大金、一人では不安だろうから、ボランティアクラブの部長の駿河さんを呼んだ蘭ちゃん。


「お兄さん、お久しぶりです、この前のアルトの家ではありがとうございました、電話で信濃から伺いましたけど、ご寄付をなさってくれるとは、本当でしょうか?」

 中三には思えないしっかりした挨拶をする駿河菊花ちゃん、学校帰りだったのだろう、制服姿だけど、葵咲あおいとはスカーフの色が違うセーラーが新鮮だ。


「アルトの家の子達は大変だって聞いたから、何か力になろうと思ったんだよ」


「子供達も喜ぶと思います、これからマンションにお帰りになるのですね、お送りしますよ」

 そう言いながら、ナチュラルに俺の横の来ると手を差し出す。

 女の子の小さな手、細い指が絡んで来る。


 駿河さんはボランティア活動で会う時には責任者として、しっかりした態度だけど、こうして会うと、普通の女の子だね。


 身体の中から喜びが溢れて、こぼれ出している様なニコニコなスマイルの菊花ちゃん、女の子の嬉しそうな笑顔は男を幸せにするよね。

 そんなスマイルをジッと見ていると、急に真っ赤な顔をしてしまう。


 俺と駿河菊花ちゃんが手をつなぎながら歩き、その後ろ、声が聞こえないくらいの距離で蘭ちゃんがついて来ている。


「ねぇ、菊花ちゃん」


「はっ、ハイ!」

 突然名前呼び、それもちゃん付けで呼ばれ、動転している女の子。


「可愛いね」


 たった一言で耳まで赤くなったしっかり者。


 そう言っているうちにマンションのエントランスに帰って来た。

「部屋で休んでいかなくて大丈夫?」


「お邪魔します!」



 しっかりした優等生タイプの中学生です。

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