29.巨乳ママに甘えよう
新編になります。
学生の本分は勉強、学校では結構真剣に勉強をする、その代わり放課後には女の子と楽しい遊び、時々バイトも入れて、充実した高校生活と言うのだろうか。
忙しくなっても欠かさないのが筋トレ、今日は晩御飯の後にトレーニングルームにやって来て汗を流す。
「はい、カイト様、タオルです」
「ありがとう」
「恐縮です、今お話し宜しいですか、カイト様」
「いいよ、何のお話しかな?」
「カイト様ってわたし達トレーナーやフロントのスタッフにも丁寧ですよね、評判なんですよぉ」
「それは喜ばないといけないね」
「実はですね、他の女性にも丁寧な対応をなさるのでしょうか?」
???
え~、トレーナーさんは何を言いたいのかな?
「あっ、説明が足りなかったですね、ここの住人の方でカイト様とお話しをしたいと仰っている方がいるのですよ、軽く挨拶だけでもいかがでしょう?」
「いいよ」
即答した俺、だって断る理由なんて無いよね。
▽
「始めまして、赤石サンゴと申します」
丁寧に頭を下げたのは幼い顔をした大人、顔つきはロリ顔だけど何者なんだ、そして溢れそうな巨乳。
週一回カフェのバイトをするようになって色々な女性に出会った、子持ちか、子なし社会人か、学生かを見分ける簡単な方法はメイク、同級生達のメイクは控えめで下手くそ、試行錯誤の最中だ。
大学生になると色々なテクニックを覚えて“盛った”メイクを好む様になる、更に歳を重ねると、自然な感じのメイクを選ぶ、分かり易く言うと。
“わたしメイクなんてしなくてもキレイなんです”
と主張する。
トレーニングルームでは汗をかくのでメイクをしていないのだろう、スッピンでは背景が読めないよ。
「こちらこそ初めまして、荒川カイトと言います、赤石さんと呼べば良いのかな、それともサンゴさん?」
「お好きな方で構いませんよ」
「それじゃあ、サンゴさんって呼ぶね、ボクの事はカイトで良いよ」
普段は自分の事を“俺”と呼ぶけど、何故だか知らないけど歳下アピールをしたくなった。
トレーニングルームの休憩スペースは、ちょとしたティーラウンジくらい豪華。
「カイト君はさっきスタッフの人に丁寧にお礼をしていたよね」
「当然でしょ、だってその方がお互い気持ち良いじゃないですか」
「みんながそう言う考えだとメイド達も幸せなんですけどね」
含みの有る言い方をしてきたぞ。
「まぁ、色々な人がいますから」
「どこまで聞いているか知らないけど、わたし、と言うかこのマンションに住んでいる女性はみんな男児を出産しているの、こう言った贅沢が出来るのはそのご褒美なんですよ」
スラリとした指でピンクポーセリンのカップを軽く弾くサンゴさん。
「話は伺っていますよ、こうしてお話ししたのは初めてですけどね」
「お願いと言う訳ではないですけど、もう少し砕けた話し方でも良いですよ、わたしちょっと前まで高校生の歳ですから」
「ここでは人目がありますよね、他の人の目の届かない場所ならお互いタメ口で話が出来ると思うんですよ、例えばサンゴさんのお部屋とか」
「良いの?」
優雅な淑女は野生の目を光らせる。
▽
トレーニングルームを出るといつもと違う方向の廊下を歩く、この建物こんなに横に広かったのか。
「結構広いでしょ、街からは一棟にしか見えないけど、裏側にF棟が隠れているのよ」
「F棟って?」
「男の子を産んだ女の人が住んでいる場所よ、街の明かりは見えないけど、キレイな星明かりが見えるわよ」
やはり階数が分からないエレベータに乗ってサンゴさんの部屋に着く。
「お帰りなさいませ、サンゴ様」
メイドが出迎えてくれるが、部屋の明かりは間接照明のみで薄暗い感じ。
「星を見に行こうか」
「なんか夜のお店みたいだね」
「カイト君、知っている夜でも煌々とした明かりの下にいると身体の生活リズムが崩れてしまうの」
連れて行かれたのは本物の星空が見えるカウチ、ガラス越しでもかなりの星が見える、こちらの世界の車は全て電気自動車、工場らしい工場は見た事無いし、空気がキレイなんだろう。
「こんなに星を見たのは始めてかも」
「星ばかり見ているとママ寂しくなっちゃうから、こっちも見てね」
そう言いながら俺の手を優しく握り、体温を感じさせてくる、そう言うことならこちらも肩に手を回すと、嫌がる事無く体重を預けて来る、いよいよ果樹園で収穫だ、たわわに実った果実に手を伸ばす……
◆赤石サンゴ ◆
半ば売られる様にメロディ学園と言うメイド養成所に入れられたのは10歳の時でした、全寮制の学校では夕食後も授業が有って、本当に何も無いのは1週間で半日だけと言う厳しい環境です、それでも先生の言う事を真面目に聞く優等生だったわたしは中学三年の時に殿方の相手に選ばれました。
教えられた通り丁寧なお辞儀をした私ですが、殿方はニヤニヤ笑いながら近づいて来て、力任せに抱き寄せられ、屈辱感と無力感と羞恥心、そして全身の痛み、人生最悪の経験をさせられました。