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26.小学生でもありですよ

 ちょいブス後輩とデートです、高校生も中学生もお構いなしな状態です。



 地味な蘭ちゃんと一緒にカフェに行ったは良いけど、自分の失敗に気が付く、この子学校指定の芋ジャージだ、これはさすがに可哀そうだ。


 店員さんを呼んで、なるべく他の席から見えない席を案内してくださいって言ったら、良くできた店員さんは、蘭ちゃんをバックヤードに連れて行った。

 しばらくすると白シャツと黒のスカートに着替えた女の子がやって来た。


「カイト先輩、お待たせしました、店員さんが服を貸してくれました」


 三つ編みも解いてキレイにセットされている、あれ? この子、そんなに悪くないぞ、良く見ればシャツはカフェの店員さんの制服だ、上手に着こなしているね。


「あの、どうしてわたしなんかを選んだのですか、他に可愛い子がいっぱいいましたよね」


「蘭ちゃん、ゴミ捨てとか見えないところで頑張っていたじゃない、俺はそう言う子とお話しをしたいんだ」


 美醜に関しては厳しい世界、この子はヒエラルキーの下の方で、雑用を押し付けられていたのだろう。


「蘭ちゃんは中三でしょ、来年には高校生なんだよね」


「ええ、だけどどこに進学するかは迷っているのですよ」


「だけど、進学は確定でしょ少し早いけど蘭ちゃんに入学のお祝をあげたいんだ」


「こんなわたしに光栄です」


 ▽


 甘いパフェを食べたら、そのままお祝いをあげるためにラブホの扉を開く、この時になって“あれっ?”と疑問符が。


「ねぇ、蘭ちゃんは中学生だよね、エッチな事しても平気なの」


「あのー、やっぱり、わたしとスルのは嫌ですか、そうですよね、こんなブサイクなわたしが男の人に選ばれるなんて、おかしいと思っていたんです、それなのに調子づいちゃって……ハハハ」


「違うよ、俺は蘭ちゃんと仲良くなりたいんだ、それは本当の気持ちだから信じて欲しい、だけど、蘭ちゃんはまだ中学生だよね、エッチな事をしても良いの?」


 俺の言葉を聞いてキョトンとしている蘭ちゃん。


「良いも悪いも、カイト先輩がシタいと思ったんなら、すれば良いんですよ、高校生でも中学生でも関係ありません、そりゃ月の物の来ていない小学生は無理でしょうけど、初潮が来ていれば小学生でもありですよ」


「イヤじゃないの?」


「男の人に誘われて嫌だと言う子なんていませんよ、この街の誰でも大丈夫です。

 あっ、そうそう男の人の身内はダメですよ、妹さんがいますよね、葵咲あおいさん、ああいう男性の家族とか、男性専属のメイドさんとかには手を出せないはずです」


「そんなルールがあるんだね」


 そう言いながら蘭ちゃんの身体を抱き寄せようとすると。

「ちょっと、待ってください、えっとー、この服は借り物なのでシワにならない様にキレイに脱ぎたいので… あっ お兄さん ダメですって……」



 ▲



 事後は一緒にコーヒーを飲む、最近はこちらの世界のお約束にも慣れて来た、目の前の女の子、そんなに悪くない顔だよ、普通だよ、いや普通より上、身体を重ねて情がうつったかな。


「カイト先輩、どうしました?」


「ああぁー、ちょっと前の事を思い出していたんだよ」


 耳まで真っ赤にする蘭ちゃん。

「……お見苦しい物を」


「真面目な話だから、本当の事を教えて欲しいんだけどね」


「はい」


「仲良くしている時はどんな感じだった?」


「それは嬉しくて天に昇る様な気持でした」


「それ、本音じゃないよね、動物を相手にしている気がしたんじゃない」

 コクリと頷く蘭ちゃん。


「あっ、違います、動物みたいだと思ったのは見苦しいわたしの方で、カイト先輩は素敵でした」


「大丈夫だよ、そんな事で怒ったりしないし、本当の気持ちを聞きたいんだ」


「いえ、えっとー、知識としては知っていたけど、ビックリしました……ちょっと重いです」


「そうだよねー」


「けど、昔はそれが当たり前だったんですよね」


「そうだね、中学ではどこまで教えてくれるの?」


「男女比が崩れるころまでが均等期って習いました、その後は斬減期って習ったけど、昔の教科書では崩壊期って書いてあったらしいですよ」


「どうして斬減期が始まったのかは知っている?」


「教科書では均等期の頃は女の人がすごく威張っていて、男の人を虐げていたらしいんです、それで段々と男の人が産まれなくなって、人口がジワジワ減って行き、人工受精の技術が確立されてやっと現状維持だったかな」


「男がイジメらたから、産まれて来るのが女ばかりになったんだよね、けど今の男はすごく威張っているよね、それだったらもっと男の子がたくさん産まれてもいいんじゃない」


「それは、そうですね、けどこれには色々な説があるそうですから」


「ところで男女の比率はどれくらいか知っている?」


「ああ、それは国家機密ですよ、男性は大事な戦略資源ですから、手の内を教えたりはしませんよ、ほんとかどうか知りませんけど学年に一人くらいの割合だと聞いたことがあります」


「ちなみに蘭ちゃんの学年は何人?」


「五クラスだから150人ですね、う~ん、ちょっと体感と違いますね、男の人はそんなにたくさんいない感じです、一か所に集めているからでしょうか?」


 ▽


 蘭ちゃんと楽しい時間を過ごして、そのついでにマンションまで送ってもらった。

アレ? 本当は送ってもらうのが本来の目的だよね。


 部屋に帰ると葵咲あおいのお出迎え。

「お兄ちゃん、お帰りなさい!」


「ただいま、葵咲あおい、図書館はどうだった?」


「えっ、……そりゃもう、あのー、大変で、今日は凄く混んでいて、仕方ないから早く帰って来たんだよ」


「図書館は人気なんだね」


「ねぇ、それよりも、エスコートに信濃先輩を選んだんだよね。

やっぱりお兄ちゃんは自慢のお兄ちゃんです」


「えっとー、何の自慢なのかな」


「この時間に帰ってくるのだから、信濃先輩とデートをしてあげたのでしょ、あの先輩はみんなの嫌がる仕事を進んでやると評判だったのです、何よりもその事を自慢したりしないのです、偉いですね~」


「俺の思った通りの子だったみたいで安心したよ」


「お兄ちゃんは人を見る目がありますね」

 俺を褒めているのになぜかドヤ顔になる妹。



 言うまでもありませんが、妹は最初から図書館には行っていませんよ。

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