21.男の知らない女のアソビ
最初は女性目線です。
途中から主人公目線に代わります。
◆美月鈴蘭◆
絶対にバレないと思っていた放課後の遊び、本人に見られると言う最悪の結果になってしまったが、その後の展開はご都合主義の少女漫画顔負けの流れ、今夜のお風呂はいつもより長めだったのは見苦しい処女を洗い流したからだ。
「鈴蘭、あんたのスマホ鳴っていたわよ、急ぎかもしれないでしょ、お風呂まで持って行けっていつも言っているじゃない」
二つ上の姉が嫌みたっぷりに教えてくれる、いつもならトゲの有る言葉で返すところだが、所詮は処女じゃないか、心に余裕が出来ると言うのはこう言う事を言うのだろう。
スマホには男性活動審査会と言う組織から赤裸々なメッセージが。
『スマートデヴァイス、及び生体認証を分析した結果、本日午後4;25から数十分間、あなた美月鈴蘭は荒川カイトと接触があったと判断されました、事実ですか?』
□はい、□いいえ、
『身体の接触はありましたか?』
□はい、□いいえ、
『どの様な接触でしたか、複数回答可』
□手を握る、□肩を抱かれる、□腰に手を回す、□互いの唇を接触させる(キス)、
□胸をまさぐる、□直接的な性行為、
この質問には全部の欄にチェックを入れた鈴蘭、
『最後に荒川カイトに対する評価を選んでください』
もちろん+5を選んだ、紅葉もきっと同じ答えだろう。
▽
登校すると昇降口でリンちゃん先生が待っているのがいつもの流れ。
「カイト君、聞きたい事があります、男性棟に来てください」
「良いけど、授業に遅れちゃうよ」
「それは大丈夫です、担任に連絡済みです、それにわたしは副担任ですよ」
男性棟の個室は完全防音、窓からは手入れされた中庭が見えるけど、外からは見えない構造でプライバシーが保たれている。
「カイト君には昨日男性ポイントの話をしましたね、わたしは男性担当の副担任ですけど、基本的に生徒のポイントは知らないのですよ、三か月毎の審査会で数字が発表されるだけで、内容は知りませんし、なるべく知らない様に勤めています」
「要するにリンちゃん先生は知ろうと思えばポイントの内容を見られるけど、基本見ないんだね」
「そうです、そう言う情報があると、次はこの子とデートしてくださいとか、いつまでも同じ子と遊んでいてはダメですよとか、アドバイスを出しがちなんです、大人ってそう言うものなんですよ」
ロリロリちゃんに“わたしは大人”って言われてもね。
「先生がしっかりした大人だって事は分かりました、けど、それって一時限目の授業よりも大切なことなんですか?」
「実は、昨日男性活動審査会と言う、まぁ、ポイントを管理する団体ですけど、メッセージが入りましてね。
“荒川カイト君のポイントが急伸しているけど、何か心当たりはありますか?”
と言う内容だったのですよ、仕方ないのでカイト君のポイント内容を見させてもらいました」
「何か問題でも?」
「問題と言うか、もう四人の子としちゃったんですね、直接性行為は基礎ポイントが凄く高いし、四人とも評価値は最高でしたよ」
「まぁ、褒められるのは嬉しいですね」
「だ・け・ど、内容が問題なんです!」
「えっとー、どこら辺が?」
「昨日の登月さんと美月さんは、場所が階段の踊り場だったそうじゃないですか。
女の子が可哀そうですよ、そう言う時の為にこの部屋が有るんですから、もっと利用するように」
ピッシリと張られたホテルの様なシーツを指さすロリ先生。
学校の中に完全防音の“ヤリ部屋”があるなんて最高だと思うけど、男性棟に来る女子生徒は基本いない、俺と一緒に女子生徒がやって来れば物凄く目立つ場所だよ。
「学校の外で仲良く出来る場所って無いのですかねぇ」
「ラブホを使ってください、ほらこの前食事に行った駅前広場にホテルがあったでしょ」
「普通のホテルに見えましたけど」
「建物の裏側に無人カウンターの入り口があります、裏通りから入れば精算まで顔を見せる心配はないですよ、男性の利用は無料だからスマホをかざして利用履歴を残すだけです、お手軽ですよ」
「そんな便利なものが有ったとは、先輩達はみんな頑張っているんですね」
「実際は女同士の利用が殆どですけどね、一般高校に来る生徒の殆どが元気にならないからなんですよ、元気の意味は分かりますよね」
「はい、毎朝元気が余って困っています」
一瞬俺の股間を見下ろしたリンちゃん先生だが、教師の顔をして話を続ける、
「彼らは月に一回の搾精で頑張ってもらっています、研修で見ましたけど、そう言う人達の搾精は辛そうでしたよ」
元気が余っているけど子種の無い俺、子種はあるけど女性と出来ない男性達、どっちも大変なんだね。
デートをするだけでなく、評価されるので、男性は気を抜けません。
絶対にモテルけどパラダイスじゃない世界です。