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貞操逆転世界で好き放題  作者: miguel92
優等生編
20/82

20.そんな事よりもっと良い事しようよ

 新編は二輪編です。

二人が相手でもアリな世界です。



「カイト君! おはよー」


「幅跳びが凄い星羅せいらちゃん、おっはよー」


「もう、そこをいじらないで欲しいなぁー」


「良い身体を持っているんだから自慢しようよぉー」


「カイト君、それって大きな声で言っちゃダメだよ、女子校生なんて変態ばっかりなんだから、わたし以外はね」


「これから星羅せいらちゃんの耳元で囁く事にするね」


「もぉー」


 一緒に汗を流すと言う行為は距離感を詰めるのに丁度良い、半日一緒に運動しただけで、今まで接点の無かった星組の生徒達と普通に挨拶が出来る様になった。



 教室につくと机に向かう、俺の机はみんなより一回り大きいから絶対に間違えない、それにしても今日は朝から色々な情報が入って来て色々考える。


 ただデートをすれば良いかと思いきや、ポイントが関係するとは、相手を満足させれば良いらしいけど、野バラちゃんやダリアちゃんは満足してくれたのかな?


 俺の前では

“良かったよ”

 って言ってくれたけど、デートの相手にダメだったよ、なんて言う人いないよね。


 あれ? やっぱりリンちゃん先生が正解だったのかな、何にも考えずにデートをすれば良いんだし……


「カイト君、朝から難しい顔しているよ」

 髪を肩口で揃えた可愛い系の同級生、美月みつき鈴蘭すずらん


「あっ、鈴蘭すずらんちゃん、ゴメン、もしかして怖い顔していた? 怒っていたわけじゃないからね」


「カイト君が優しい子だって事はみんな知っているからヘーキだよ、それよりかカイト君の机は大きいね、両手を机の端まで伸ばしてみて」

 俺は両手を机の角まで伸ばす、一回り大きいサイズだけど、たいした事は無い。


「わぉ、すごいねぇ、やっぱり男の子の筋肉は違うわ、机の角をギューと握ってみてくれる」


「こう?」


「さすがは筋トレしているだけあるねぇ、朝から良い物見せてくれてありがとね」


「こっちも鈴蘭すずらんちゃんの顔が見られて嬉しいよ」


 ▽


 授業は5限で終わったけど、俺はリンちゃん先生に呼ばれて部活に対する注意事項の説明を受ける、

 要約すると部活は入らない様に、もし男子が入るとその部に新入部員が殺到するからだそうだ、それでも部活したいなら部員が固定した5月以降に入部する様にとの事。


 新川あらかわカイトだった頃は強制バイトで部活どころではなかったので、なんとなく憧れはあるけど周りの先輩達にまで迷惑をかけるのも嫌だから素直に聞いておこう。


「……運動部は体格差もあるし、公式戦に男子は出られない事が多いから、お互い気まずくなると思うのです」


「わかりました、来月まで様子見しますね、それじゃまた」


「あっ、カイト君、どこへ行くの、出口はあっちですよ」


「教室に忘れ物したので」


 ▽


 教室の前の廊下に一人の生徒が所在なさげに立っている。


「あれ、紅葉もみじちゃんじゃない」


「まだよ、あんたも入りたいなら順番守りなさいよね」

 そう言いながら振り向いた登月とうげつ紅葉もみじ、俺の顔をみて“ヒィィィヒ”と情けない声を出す。


「順番って何の?」


「まって、見ちゃダメ」


 身体を張って俺を止めようとするけど、所詮は小柄な女の子。


 教室の中では鈴蘭すずらんちゃんが一心不乱に腰を動かし、俺の机の角に大事な所擦りつけている、みんなより一段高いからすぐに分かったよ。


「ふーん、俺の机で気持ち良い事しているんだー」


「…… ゴメンなさい  ゴメンなさい  」

 可愛そうなくらい小さくなって行く紅葉ちゃん。


「そんな事をしなくても、本物を貸してあげるよ」


 俺は紅葉もみじちゃんを抱き寄せると、屋上に続く階段を登って行く、この上は施錠されているはずだし、放課後だから誰も来ないだろう。


「あっ、あのわたし……」


「抱っこして欲しい?」

 小柄な女の子は小さく頷いた。



 ▲



 ◆美月みつき鈴蘭すずらん


 イケメン男子生徒、それでいて女に対し当たりが柔らかい稀有な存在荒川カイト、是非ともお近づきになりたいが、もしデートまでこぎつけてもせいぜい手を握ってもらえる程度だろう。


 それよりもたぎる性欲を吐き出したい、授業前に彼がシッカリ握った机の角を男の分身に見立て卑猥な声をあげている。


「あのさぁ、鈴蘭すずらん


紅葉もみじ、遅いよ、いつまで経っても来ないから三回もしちゃったー」

 色々と溜まった物を吐き出し、頬を紅潮させている鈴蘭すずらん


鈴蘭すずらん、こっちに来て」

 小柄な紅葉もみじに有無を言わせず手を引かれて行った先には御本尊が待っていた。



「ああ、えっとーぉぉ、カイト君、放課後にこんな場所で、えっとーぉぉ、男子が一人だと危ないよ」


鈴蘭すずらんちゃん、俺の机は気持ち良かった?」

 俺と紅葉もみじの顔を交互に見て、情況を瞬時に判断した美月鈴蘭すずらん


「ゴメンなさい、カイト君、お願いだからこの事は黙っていて、ゴメン」


「俺は怒っているんだよ」


「ゴメンなさい」


「違う違う、怒っているのはココだよ、どうすれば良いのかなぁ~」


「良いの?」



 ▲



「はい、ドーゾ、カイト君、自販機のコーヒーですけど」

 事後はコーヒーを飲むのがお約束と言う文化。


「二人ともゴメンね、こんな安っぽいベンチに自販機コーヒーで」


「カイト君、それは違うよ、何を飲んだのかじゃなくて、誰と飲んだのかが大事なんだよ」


 行為の後はおとなしめの紅葉もみじちゃんが良く喋る子になって、賑やかな鈴蘭すずらんちゃんが黙り気味。


紅葉もみじちゃんの話だと三人でシタ事が大事なのぉ~」


「もぉー、イジワル言わないの」




 頭の回転の速いおしゃべりタイプの子と、小動物的な可愛さを持った小柄な子です。

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