119.小さな街に引っ越しました
このまま主人公カイト君に行こうと思いましたが、あと数話七海美の
話を入れてみます。
異世界に転生して美少女になったJSですが、可愛い子には可愛いなりの苦労があったと言う話です。
朝ご飯、ママと津樹子姉さんの三人で食卓を囲む。
「ママ、今日は制服なの?」
野分市にいた頃は迷彩服が基本だった国軍曹長、地本勤務になってからはスーツが基本。
「今日の訪問先は熱心な国軍支持者なの、レンジャー記章を見せると待遇が変わるのよ」
さりげなく胸についたダイヤモンド形の記章を子供たち見えるように胸を張る。
「レンジャーバッジを見せれば新隊員が集まるわけね」
さすがは国軍兵士の娘、制服の左胸についている記章の名前は大体言える、だけど意味は良く分かっていない」
「津樹子、わたしの仕事は援護なのよ、再就職の斡旋よ。
今日は時間がないからお茶碗は冷やかしておけばよいから、後で佐和子さんに洗ってもらいなさい」
そう言って、颯爽と出かけて行ったママ。
そうそう、佐和子さんは通いのメイドさんの事よ。
わたしは軍隊の曾根崎さんと言う陸曹さんの養女になったの、曾根崎曹長は40代で、津樹子姉さんと言う中三の娘がいるのよ。
わたしのお姉さんになる津樹子さん、テニスが大好きで、中学ではテニス部の部長だったそうだけど、急に日王市に引っ越す事になって大変だったみたい。
流しにお茶碗を持って行くわたし。
「津樹子姉さん、ごめんね」
「何? 七海美ちゃん、どうかしたの」
「わたしがこの家に来たから日王市に引っ越したんだよね、テニス部の事とか色々あったみたいで、その、申し訳ないぃ……」
スッと腰を落として、私の目の前に顔を持って来た津樹子姉さん。
わたしの頬っぺたを摘まむと。
「どうして七海美ちゃんはそう言う事を言うのかな~」
「らって~」
頬っぺたを引っ張られて上手く喋れないよ。
「七海美ちゃんは家族なんだよ、家族同士で申し訳ない、なんて言わないの」
「 …… ゴメンナサイ …… 」
「あのさぁ、本当はいきなり引っ越しでビックリしたけど、ママは軍人じゃない、急な引っ越しや転校は何度もあったし。
それに今回の引っ越しは豪華になったじゃない、今までの官舎と違って庭付きの一軒家だし、メイドさんまでいるんだよ。
それに七海美ちゃんも一緒だしね」
そう言ってわたしをハグする津樹子姉さん。
姉さんのハグはほんわかとした感じで安心するよ。
▽
わたしは11区小、姉さんは11区中と言う学校、学校は隣り合わせだからいつも手をつないで登校するんだよ。
「……姉さんは部活には入らないの?」
「わたしは3年生だよ、あと数ヶ月で引退なんだから、今更だって。
それに日王市の中学は軟式だけなんだって、野分市は硬式だったからラケットを買い替えないといけないしね」
「へぇー、テニスにも種類があるんだ」
「どうしても部活するんだったらボランティア活動かな?」
「ボランティアって何をするの?」
「う~ん、孤児の施設に行って、遊び相手になったり、色々とお手伝いをしているらしいんだけどね、同じクラスの子がシンフォニア高校の男の人にご褒美をもらったんだって。
凄いよね、公立中の子が男の人にシテもらうなんて有り得ないよ。
男の人がアソコに入って来て激しく動くんだよ……」
姉さんは同級生が男の人とエッチな事をした話を大きな声で話すけど、恥ずかしいからやめてほしい。
わたしだって四年生だから知っているけど、まだまだ先の話だと思っていたし、何よりここは女ばかりの世界だから人口授精で子供を産むのが当たり前の世界なんだって。
正直言って安心したわ、男の人が身体の中には来るなんて絶対に無理、痛くて死んじゃうよ。
もしかしたら当真君もそう言う事をしているのかな。
うん、きっとしているよ、ここは男の人がもの凄く少ないから、好き放題出来るって言っていたし。
もしかしたら、わたしを選んでくれるかな、当真君に会いたいけど、エッチな事をされるのは嫌だなぁ……
「…… 七海美ちゃん、何考えているの?」
「あっ、あの、男の人はシンフォニア高校ってところに行くのだよね?」
「えっ、違うよ、うんとね男の人はスタリオン学園って言う学校に行くんだよ。
シンフォニア高校に来るのは精子が無くて赤ちゃんを作れない人やアソコが硬くならない人達なんだって、男の人なのに硬くならないなんて可哀そうだよね」
なんか聞くだけ恥ずかしいよ。
「男の子は小学校とか中学はどこに通っているの?」
「中学までは男性居住区ってところの小中に通っているらしいよ。
保体の授業で習ったけど、女の子と違って成長のタイミングが遅いらしいよ、平均身長が女子を追い越すのは中学になってからだって」
クラスの男子達は背も低く、幼稚だった気がする。
「そう言えば男子はみんな背が低かったですね」
「なによ、七海美ちゃん、男子を知っているの~」
津樹子姉さんは、なんで男子の背が低いなんて知っているの? と校門に着くまで絡まれたわ、わたしは不用意な事を喋りすぎるみたいなの。
七海美は不用意な発言が多いです。




