112.優しいママ
ママが巨乳なのは貞操逆転世界のお約束です。
「当真君、お帰りなさい、お疲れさまでした」
乗馬から帰って来ると
ニッコリ笑顔で紅楽々《くらら》ママが出迎えてくれる。
「今日は沢の方まで行ったんだよ」
「わぁー、当真君凄いですねぇ」
ボクが何をしても褒めてくれるママ達だよ。
スッと腰を落して、目線をボクより下げると真っ白な谷間がクッキリと分かる。
「さぁ、朝ご飯ですよ」
▽
今朝は焼き立てのクロワッサン、なんとこの家にはパン焼きの窯が有って、ボクの帰ってくる時間にあわせて焼き立てのパンを焼いてくれる。
ホカホカのパンを口にしながらベーコンを食べる、お肉っていくらでも食べられるね。
スッと片手を上げるとメイドさんがやって来る。
ボクはお皿を指さすと、メイドさんは“失礼致します”と言ってお皿を下げ、別のメイドさんが脂ぎってホカホカしたベーコンの皿を置いてくれる。
なんか王様みたいな生活だけど、食事の時は必ず一人で食べる、病院の時からそうだったけど、テレビも無いのに一人だと寂しいよ。
こう言う時は七海美ちゃんを思い出すけど。
このまえ連絡官の愛美理さんに訊いたら、軍人さんの養女になってしまったそうだよ。
ボクの事はさっさと忘れて、新しい家族と楽しく過ごしているのかな?
食事の時は惨めな気持ちになるから嫌いだよ。
▽
朝食が終わってしばらくすると書斎に行って勉強が始まる。
今日一番は理科の勉強、萌紅夢ママが先生だよ、トロンッとした表情でママ達の中では一番ドンくさそうだけど、教える時はハキハキと上手だよ。
「……こっちが10グラムと5グラム重さが倍違いますよね、ですけどこの天秤ばかりを使うと重さが釣り合う場合があるのですよ」
「それって変だよ、10の方が重いに決まっているよ」
「そうですよね、ですけど天秤棒と言うのはこうやってぶら下げる位置を変える事が出来るのですよ、これって前に教えた事と似ているけど分かるかな?」
「あっ、あの支点? だったけ」
「そう、そうなんです当真君の言う通り支点ですよ、天秤棒は方向こそ違いますけど、支点があるんですよ。
さて、支点が有ると言う事は残りの二つも有りますよね……」
▽
ミッチリと理科の勉強をしたら次は紅千代ママの算数。
ほんわかした優しい声の紅千代ママだけど、勉強は一番厳しいと思うよ。
今は紅千代先生がホワイトボードに書いた応用問題を解いている。
「当真君、解けましたか?」
そう言ってボクを背後から覗き込む、フワッと甘い香りがして、背中に柔らかい物が当たる感触。
「……はい、問題をしっかりと読んでいますね」
ボクの書いた式に赤ペンでチェックを入れていく。
「あっている?」
「はい、解き方も含めて正解ですよ~」
甘い息が正解を伝えてくれる。
▽▽
優しい家庭教師のママ達だけど、勉強はストレスが溜まる、そんなモヤモヤはスポーツで発散。
午前の最後はテニスだよ、芝生の中の一軒家らしくテニスコートが完備されていた。
着替えてテニスコートに出るとインストラクターのお姉さんが待っている。
ノースリーブのウェアからは真っ白な腕が伸びているインストラクターのお姉さん。
ボクの前に来ると、スッとしゃがんでラケットを差し出す。
「当真様、本日もテニスを指南させて頂きます」
「…… ああ、 ……」
こう言う時はなんて答えれば良いのか未だに分からないよ。
最初に基礎のサーブとかボレーの練習をしたら後は試合形式、と言ってもインストラクターのお姉さんが打ちやすい球を返してくれるからボクは打ち返すだけだけどね。
「本日もわたしのレッスンをお受け頂きありがとうございました」
インストラクターのお姉さんが最初と同じ様にひざまずく。
テニスの後はシャワーで軽く汗を流したらお昼ご飯だよ、三食の中で一番ボリュームが有るのがお昼だと思う。
スパイスの効いたジャークチキンとガーリックライス、濃い目の味付けだからサラダも美味しい。
だけど相変わらず一人飯だよ、話相手が欲しいよね。
▽
午後も授業があって勉強、ママが家庭教師だけど、学校の授業と違ってさぼれないから疲れるよ。
三時過ぎにはお姉さん達が帰って来る。
リビングに行くとオシャレな制服を着た三人が並んで待っている。
「当真君、ただいま、今日の勉強ははかどりましたか?」
大人っぽい顔つきの、夕黄音姉さんがボクに訊く。
「うん、眠いけど頑張った」
「あらあら」
困った弟に苦笑する、高校生。
「テニスも頑張っているみたいですね、当真君が頑張ると、お姉さんも嬉しいですよ」
高校生のくせにオッパイがタユタユしている黄名子姉さん。
「そうだよ、黄名子姉さんはオッパイ大き過ぎてテニスは無理だろうけどね」
クソガキな受け答えに。
「もおー」
と言いながら胸元を隠す仕草をするけど、嬉しそうな“次女”
背の低いショートカットの子が話しかける。
「当真君、そんな事を言ってはダメですよ」
エッヘンッと小さな胸を張る美由黄姉さん、ボクより背が低いくせにお姉さんぶった態度を取りたがるよ。
「チビのくせに~」
からかうと口を尖らせて怒って来るから楽しい。
ボクの胸をポカポカ殴るけど、もちろん本気じゃない、くすぐったいよ。
そんなじゃれ合いを見て夕黄音姉さんが言う。
「当真君、そろそろ“運動”しようか」
「うん!」
お姉さん役はタイプの違う子にしてみましたが、上手く書き分けができません。




