表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貞操逆転世界で好き放題  作者: miguel92
軍隊少女編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

107/125

107.わたしは誰 ◆ 常盤 七海美 ◆

 一旦当真(とうま)は離れて、七海美ななみのお話しです。

 主人公のカイトはもう少し後です。



 もう、何がどうなっているのか、サッパリ分からない。

 いじめっ子のエリちゃん達から石を投げられ用水路に落ちたと思ったら、見た事もない草むらに投げ出された。

 一緒にいた当真とうま君は中学生みたいな姿になってしまった、ちょっとカッコ良いけど、何となく当真とうま君の面影も残っている。


 そしてわたしも美人さんになったみたいなの、本当かなぁ、なんて思っていたら、当真とうま君が大変な事になっていた。

 目がうつろで、苦しそうに息をしている、急いで休ませてあげたの。

近くに沢が有ったから、ハンカチに水を染み込ませて飲ませてあげたけど、寒そうにブルブル震えている。


 どこなのかよく分からない場所に飛ばされて、お友達が苦しそうにしている、どうすればいいのか分からないよ。

 泣きそうになったわたしを助けてくれたのは軍隊の人達、最初に緑色の服の人達が来たときは怖くて仕方なかったけど、兵隊さん達はみんな女の人で優しい人ばかりだったよ。


 その後当真(とうま)君はアンビって言う車に乗せられたの、それが最後に見た当真とうま君の姿。



 わたしは兵隊さん達と一緒に軍隊の基地みたいな場所に連れていかれて、衛生隊と言う場所で検査を受けた後は、連隊本部って言う場所で名前とか、学校とか、どこに住んでいるかとか、色々な事を訊かれたの。

 結局わたしがどこから来たのかは分からないそうよ、そりゃそうよね、この世界ではほとんどが女の人なんだって。


 わたしは女子も男子も同じくらいの数だよ、って説明したのだけど、可哀想な子を見る目で見られたのよ。



 そうそう、男の子は特別な場所で大切に育てられるそうよ、当真とうま君とはもう会えないのかな?



 ▽第九歩兵科連隊、連隊長室▽



「……常盤ときわ七海美ななみを自称する少女ですが、彼女の言った住所や学校は見つかりませんでした」

 取り調べを担当した連隊長の副官の三佐が言う。


「うむ、そうだったか」

 報告はすでに聞いているが、今日は一中隊長が来ているので、芝居かかった演技をする犬吠埼いぬぼうざき一佐。


「連隊長、これは困った事態です、男児は男性管理局に引き渡しました、これは規則に則った事で問題はありません、

 ですが、女児が問題でして、市民を保護すれば行政を通して家族や保護者のもとに返せば良いのですが、常盤ときわ七海美ななみには返すべき保護者がいません」


「警察に引き渡せば済む話ではないのですか」

 一中隊長、御前崎一尉が言う。


「もちろんそれが原則なのだが、犯罪性がない人間を警察に引き渡すのもどうかと思うし。

 行政に頼めば身寄りのない子はメロディ学園に送らせて終わりだが、それは忍びないしなぁ。

何よりも、懐古主義者の実情を知っている可能性もある、時間をかけて懐柔すれば情報が得られるかもしれんぞ」

 警察不信の連隊長、軍隊と警察の関係は微妙だ、双方が情報を共有し力を合わせて問題を解決する事もあるが、根底に流れているのはお互いの不信感。



犬吠埼いぬぼうざき連隊長、身寄りのない子をここでかくまうと言う認識でよろしいでしょうか?」

 御前崎一尉は上司の意向を言葉にして確認する。

 こと軍隊においては阿吽の呼吸で事を進めると、人命を伴う事態を招く事があるので、面倒でも口にしなければならないのは、幹部軍人の処世術。


「そうだ、いつまで衛生隊に寝泊まりさせるわけにもいかないな、どこか良い場所は無いかね?

 とりあえず司令部の法務官が来るまでの間でよいから」


「幼いですが、なかなかの美形です、営内に住まわせるわけにもいかないでしょうし」

 副官が統制された野獣が幼子に牙を剥かないかを心配する。

 申請すれば外出が許される組織とはいえ、陸士は基本営内住み、溜まった性欲の発散方法が挨拶代わりみたいな連中だ。


犬吠埼いぬぼうざきさん、中隊の当直室はどうでしょうか、あそこなら常に人目があるから、そうそう問題は起きないでしょう」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ