第93話「灯火が街を変える──自由を知ったその日から」
──リベルたちが訪れたのは、
かつて“貴族領”として搾取されていた辺境都市、ベルグレア。
そこは、表向きこそ自由な交易都市だが、
実態は“働かされる自由”“選ばされる選択”の偽りの街だった。
広場では、巨大な掲示板に職種と配属先が記され、
住民はそれを見て、今日の仕事を“割り当てられる”。
それを見て、リベルがつぶやいた。
「……これは自由じゃない。“支配の透明化”だ」
レオ(前話で登場した鍛冶職人の少年)は、そんな街の若者たちに語りかける。
「オレも昔はそうだった。でも、今は違う。
“自分で決めた仕事”は、大変でも逃げたくならないんだ。
だって、“選んだ道”だから──」
ミーナとティアは、自由市場を作る小規模なイベントを開催。
誰でも出店OK、値段も自由、交換もOK。
最初は戸惑っていた住民たちも、
やがて目を輝かせ、互いの得意を持ち寄り始めた。
老婦人:「あたしゃ昔、ハーブでお茶を作るのが得意だったのよ」
若者:「おれ、棚作れます!そっちの薬草と交換しませんか?」
【スキル発動:】
《共鳴市場》──人の得意がつながることで、真の経済が始まる
そして、掲示板の前で──
リベルが堂々と宣言する。
「今日から、この掲示板に“割り当て”じゃなく、
“やりたいこと”を書いてみよう。
選んで働いてもいいし、選ばなくてもいい」
「でも、“選ばない限り”──お前たちの人生は、ずっと他人のものだ」
それを聞いていた街の管理官は、最初は激昂。
だが、住民の熱と行動に圧され、ついにこう言った。
「……ここまで生き生きとした街は、見たことがない。
もう私は、割り当てを書くのをやめようと思う」
【都市スキル発動!】
《都市覚醒》──ベルグレア、選択都市へと変貌!
ハルク:「見たか、リベル。言葉と行動だけで、“街の仕組み”が変わるんやな」
リベル:「オレたちが灯したのは、ただの火じゃない。“自分で選んでいい”っていう、希望の灯火なんだ」
そして夜。
ベルグレアの空に、キャンドルの灯が次々とともされた。
それは誰かに強制された灯りではない。
それぞれが、“今日をどう過ごすか”自由を選んだ証だった。
──こうして、リベルたちの旅は、
街を変え、人の価値観を変え、そして世界を変えていく。
それは、
ひとつの言葉と、ひとつの選択から始まった革命だった。
【To be continued…!】