第92話「言葉が灯す自由──次の誰かの選択のために」
リベルたちがトミバイを出て数日。
彼らは再び、大陸を旅していた。
だが今までと違うのは、
目的が“知るため”でも“学ぶため”でもない。
──今度は、“伝えるため”の旅。
ある地方の集落で出会ったのは、
年若い鍛冶職人の少年──レオ。
彼は言った。
「選べって言われても……俺には、何もない。
親の店を継ぐしかない。自由なんて、夢だろ?」
リベルは微笑んで、懐から一枚の紙を取り出した。
そこには、リベシティの“選ぶ5街区”の図と、自由についての詩が書かれていた。
「これは“夢”じゃない。
かつて、オレたちも“選べなかった”側だった。
でも、誰かの言葉が、行動が──“選べる日常”を作ってくれたんだ」
【スキル発動:リベル】
《選ぶ力・伝播》──思想が旅し、人の心に種を蒔く
ティアは、レオに自作のノートを手渡す。
「これは“自分で選ぶ練習帳”。
何を書いても、何を夢見てもいい。
自分のこと、決めるって“怖いけど楽しい”んだよ」
こうして、彼らはひとつの集落を後にし、またひとつの町を訪れた。
そのたびに、誰かが“自由の力”に触れ、
自分の人生を、自分の手で舵取りし始めていく。
【世界スキル発動】
《選択の灯火》──言葉と意思で広がる、自立と自由の連鎖
ミーナ:「リベル、あなたはもう“旅人”じゃないね」
ハルク:「ああ。今やリベルは、“自由の種まき人”やな」
リベル:「いや……違う。
“自由を渡す人”じゃなく、
“自由を思い出させる人”でいたい」
その夜。
焚き火のそばで、リベルは小さく呟いた。
「自由の力ってのは──
人から人へ、心から心へ、灯りのように届いていくもんなんだな」
【To be continued…!】