第91話「自由の継承者たち──新たな旅立ちへ」
──浮遊都市。
バリ師匠との対話を終えたリベルたちは、
都市の最上階にある「風の塔」で、最後の一夜を過ごしていた。
リベルは、バリ師匠がぽつりと口にした言葉を思い出した。。
”今日がいちばん若い日?” …
……どこかで聞いたような?
リベルは、ふと顔を上げた。
「……天領区の区長。俺たちが旅の途中で出会った、“自由を実現してる男”。」
リベルの表情を見て
バリは、ニカッと笑う。
「そや。あいつも、昔このトミバイに辿り着いたひとりや」
ミーナ:「えっ……リョウガ区長って、師匠の弟子!?」
ハルク:「あの関西弁……妙に聞き覚えあると思ったわ……」
ティア:「“今日がいちばん若い日”って、あの人の口癖も……まさか!」
バリは風に背を向けながら、静かに語る。
「せや。リョウガは、“完成された自由”に安住するより、
自分自身の“答え”を求めてトミバイを出た。
あいつは“自由の社会を作る挑戦”を始めたんや。
それが、天領区やそれにあいつ、
”今日が一番若い日”ってフレーズ気に入っとったしな!」
【設定開示:自由の継承】
バリ師匠 → リョウガ → リベル──“5つの力”は意志とともに継がれていく!
リベルはそっと頷いた。
「……やっぱり、あの人も“選び続けた人間”だったんだな」
「俺たちが旅をして、街を作って、学んできた“自由への力”は……
たしかに、誰かから受け継がれたものだったんだ」
そして朝。
トミバイの空が、黄金に染まりはじめた頃──
バリ師匠が、再び風とともに姿を現した。
「さて──リベル坊。
この街に“住む”か、“出る”か。お前さんの“最終選択”や」
リベルは、仲間たちを見渡して、言った。
「俺たちは……出るよ。
だって、自由ってのは“自分だけの終着点”にするもんじゃない。
もっと多くの人が選べるように、“届ける力”に変えたい」
バリ:「……ええやん。
リョウガも、そう言って出てったわ」
リベル:「……やっぱり、あの人もアンタの弟子だったんだな」
「だって、あの決め台詞、まんまだったから」
バリ師匠は一瞬だけ、照れくさそうに肩をすくめた。
「そや、“今日がいちばん若い日やで”。
それがワシらの合言葉や」
【スキル最終共鳴:リベル】
《5つの力・継承》──思想は旅する。言葉と意志が繋がる限り。
こうしてリベルたちは、再び風を選び──
トミバイを後にした。
背を押す風は、まるでバリ師匠とリョウガ、
“自由を選び続けた者たち”の意志そのものだった。
──そして旅立ちの朝。
トミバイの上空に、バリ師匠の声がこだまする。
「行けぇぇぇッ!お前さんらは、
“自由の力”を広げるために生まれてきたんやぁぁぁ!!」
【To be continued…!】