第82話「王国の通達──選択は認められない」
──建国から二ヶ月。
リベシティは静かに、確かに育っていた。
暮らし、学び、挑戦、失敗──
それぞれが“自分の選んだ人生”を歩み始めていた。
だが、その自由は、ある者たちの目には“脅威”と映っていた。
ある日、ザイモス経由で一通の文書が届いた。
重厚な紋章、豪奢な蝋封。
それは──セントラル王国・第一王子ルーク=ヴァリウスからの通達だった。
『リベシティは、無許可の都市形成であり、王国の法と秩序に反する。
直ちに解体し、住民は所属領へ帰還せよ。
拒む場合、反逆者として処理する──』
静寂。
集まった仲間たちは顔を見合わせ、
やがて、怒りと不安が混ざり合ったざわめきが起きた。
ハルク:「あの国……“自由を持った街”が都合悪いんやな」
ティア:「選ぶことすら、許されない世界なんて……そんなの、もう嫌だよ」
ミーナ:「でも、力で押されたら……この街、耐えられないかもしれない……」
リベルは黙っていた。
そしてゆっくりと、街の中心に歩を進めた。
「──恐れてはいけない。
彼らは“選ばせないこと”で支配してきた。
でもオレたちは、“選ぶこと”で生きてきた」
「力には力で返さなくていい。
でも、“意思”には“覚悟”で応える──
この街は、“信じて選んだ者たち”の結晶だ」
【スキル進化:リベル】
《対抗》──意志と理念を守るリーダーの覚悟!
その夜、街の広場で臨時会合が開かれた。
バラン:「王国と敵対すれば、供給路は断たれ、交易も不利になる」
エルナ:「それでも……あたしたちは“選びたい”んです。誰かの目じゃなく、自分の心で」
ティオ:「この街で“やり直したい”人がいる。その希望を潰されるの、見てられない」
やがて、街の住民たちのひとりが立ち上がった。
老婆の名はサラ=ルクス。
かつて貴族の屋敷で一生仕えるはずだった人生を、リベシティでやり直した人物。
「私はね……“選ぶ”なんて言葉、一生縁がないと思ってた。
でも今、ここでは……朝起きる時間から、何を作るか、誰と話すかまで、全部、自分で決められるの」
「その自由が、こんなにも“生きてる”って感じさせてくれるなんて──
リベルさん、この街を手放しちゃダメ。私たち、守るから」
住民たちは、ひとりまたひとりと立ち上がった。
選ぶことを知った者たちの“共鳴”が、広場を埋め尽くした。
そして、リベルは宣言した。
「セントラル王国へ伝えてくれ──
リベシティは降伏しない。奪われない。
なぜなら、“選ぶ自由”は誰にも渡さない。」
「この街は、“選べない過去”から抜け出した者たちの、“未来”のためにある」
その言葉は、魔導通信塔を通じて、世界中へと伝わった。
貴族たちが睨み、
商会が焦り、
庶民が希望を抱き始める。
【世界イベント発動!】
《自由都市構想》が全大陸に拡散開始!
──こうして、リベシティは“自由と支配”の最前線に立った。
物語は、真の核心へと進む──
次回、「貴族連合の使者、来訪」──選択か、従属か。
【To be continued...!!】