第81話「その男、風のように──バリ師匠、街に降り立つ」
──建国宣言から数日後。
リベシティの空はどこまでも澄み、風が草原を撫でていた。
その時だった。
空を裂くように響く、豪快な笑い声──
「フォッフォッフォ!ようやっとるやないかリベ坊!」
どこからともなく、ひょいっと現れたその男。
金色のターバンに真紅の外套、腰には世界の通貨がぶら下がる。
その名は──
バリ・モルディブデ・ザイアール
通称:バリ師匠。
世界を旅しながら“自由と富”の本質を伝える、伝説の遊び人(かつ投資家)である。
リベル:「……やっぱり、来たな」
バリ師匠:「なんや、冷たいやないか。オレかてお前の旅、ちょくちょく覗いとったで?」
ミーナ:「って、いつの間に!?門番にも気づかれてないけど!?」
ハルク:「風やな……この人、風そのもんや……」
バリ師匠は、街を一周しながらこう語る。
「ええか、リベ坊。
“街を作る”っちゅうんは、“誰かの生き方に責任を持つ”っちゅうことや。
お前が信じてきた“5つの力”──
それを、今度は街全体に根づかせるフェーズに入ったんや」
リベル:「……それが、“選ぶ力”ってことか」
バリ:「せや。“選ばせる力”やない。“選べる土壌を作る力”や。
自由ってのはな、“用意された選択肢”じゃない。
誰もが“自分で問い、決める力”を持つことや。お前は、それをここでやろうとしとる」
その夜、バリ師匠はリベシティの中央広場で、突如“講演会”を始めた。
「金持ちになったとて、自由やとは限らん!
“自分の時間”を奪われとるなら、それはまだ囚われの身や!
今日がいちばん若い日や!せやから!自分の選択肢を信じる力、持っていこや!」
【スキル共鳴:リベル&市民】
《選ぶ力・覚醒》──“選択肢を生む人”として、街と共鳴!
そして翌朝、バリ師匠はまたもフッと姿を消していた。
残されたのは、1枚のカード。
『トミバイに戻るで。
リベシティが“世界の希望”になる日を、遠くから見とるわ。──バリ』
リベルは空を見上げ、笑った。
「……また風のように去ったな」
ミーナ:「ほんとにもう、自由な人……」
ティア:「でもあの人、きっとまた来るよ。
リベシティが“選べる街”であり続ける限り──」
【To be continued...!】