第74話「再会と決意──自由を築く街へ」
──ザイモスでの激闘から数週間後。
風の音も穏やかな丘の上で、リベルは遠くを見つめていた。
その手には、1枚のスケッチ。
「リベシティ」と書かれたその図には、
今までの旅で得た“知恵”と“仲間”の痕跡が刻まれていた。
家の配置、広場、学校、工房、農地、そして誰もが選べる“生き方の選択肢”──
それは夢のようで、けれど現実に形作られようとしていた。
ミーナ:「ねぇリベル、本気でやるの? 街を作るなんて」
リベル:「ああ、本気だ。
今まで旅してきた中で気づいた。
“力”を得るだけじゃ足りない。『どう生きるか』を選ぶ場所が要る」
ハルク:「選ぶ場所、か……。
確かに、どこにいても搾取される世界じゃ意味がないもんな」
ティア:「でも、私たちにそんなことできるの? 国とかじゃない、街を作るなんて──」
リベル:「できるさ。いや、やるしかないんだ。だって、今の世の中に足りないのは“自由に選べる環境”なんだ」
そのとき──南の空から、鳥の使いがやってきた。
封蝋には、見覚えのある紋章。
ミーナ:「これ……マネフエル村からだ!」
『リベル様へ。
貴殿の活動を聞き、我々も街づくりに参加したく思います。
小さな村ですが、倉庫と貯蔵庫、資産管理部を担います──マネフエル村一同』
ティア:「やった……!みんな、見てくれてたんだ!」
ハルク:「オレたちが伝えたこと、ちゃんと根付いてたんやな……」
それからというもの、手紙は次々と届いた。
『我が村の修理職人ギルド、参入希望!──デュオ(ホケマクリ村)』
『観光と食文化の分野、デルシティの協力を惜しまぬ!──カリナ評議員』
『バランです。災害対策とリスク管理部門、ぜひ任せてほしい』
仲間たちの言葉が、紙の上からでも熱を持って伝わってくる。
ミーナ:「みんな……リベルの歩みに、ついてきてくれてる」
リベル:「……違う。
オレがついてきたのは、みんなの“選んだ暮らし”だった。
その積み重ねが、ここに集まってるんだ」
そしてリベルは、丘の上に立ち、仲間たちを見渡して言った。
「ここに“リベシティ”を建てる!!
選んで、学んで、生きる場所を、俺たちの手で作る!!
奪われない暮らしを、売られない安心を、
誰かに指図されない未来を、自分たちの力で作るんだ!」
風が吹いた。
その風は、これまでの旅路に吹いていた風と同じ匂いがした。
希望と、覚悟の風だった。
ティア:「……行こう、リベル」
ハルク:「始めようや、この街の歴史を」
ミーナ:「リベシティの“はじまり”を、あたしたちが描くのよ」
──自由の街、建国の鐘が静かに鳴り始めた。
【To be continued…!】
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