第70話「情報の刃──煽られる不安、売られる希望」
──ザイモス広報区画、“魔導モニター”が立ち並ぶ一角。
リベルたちは、そこで目を疑う光景を目撃する。
街中に流れる広告。
『備えてますか? あなたの“まさか”に!』
『安心は“今だけ”。この瞬間の決断が、未来を救う!』
映像には、災害、病気、魔獣被害などの過激なイメージが続き、
最後にホシュヤ商会の商品が“解決策”として提示される。
ティア:「こんなの……まるで不安を植え付けて、買わせる脅迫じゃない……」
ミーナ:「しかもこれ、一定時間ごとに繰り返されてる……脳に刷り込まれるように」
【スキル発動:リベル】
《マーケティング洗脳解除》──視覚誘導と購買心理操作を見破る!
リベル:「これは“感情のバイアス”。恐怖と希少性を同時に刺激して、判断力を奪ってる」
ハルク:「ほんで、それを“安心”って言葉でごまかしとるんやな……」
リベルたちは、街角で小さな掲示板を見つける。
そこには、市民が自由に書き込む「安心メッセージボード」があった。
そこに、ある若者がこう書いていた:
『いつの間にか、安心って“誰かに買わされるもの”になってた。
でも本当は、自分で育てていくものじゃないのか?』
リベル:「……そうだ。“安心”は売り物じゃない。
それは、“自分の考え方”でつくる防御力だ」




