第69話 「契約の迷宮──グルムを喰らう紙の罠」
──翌日、リベルたちはホシュヤ商会の契約部門へ潜入した。
案内されたのは、煌びやかな応接室。
だが、渡された契約書の束は──まるで“迷路”のようだった。
ティア:「……うわ、これ全部読むの? しかも小さな文字ばっかり……」
ミーナ:「条項の中に“追記条文はこちら”とか書いてあって、別紙が何十枚も……」
リベル:「情報過多と曖昧な表現。これ、“読み飛ばす”ことを前提にしてるな」
【スキル発動:リベル】
《契約トラップ解析》──隠された不利益条項を抽出!
■ “自動更新”に関する罠:
「本契約は、別途申請がなき場合、年単位で自動更新とします(※更新手数料別途発生)」
■ “保証対象外”の抜け道:
「不可抗力・感情的損害・魔導変異等は対象外とします(※詳細は口頭説明)」
■ “キャンセル不可”の縛り:
「契約締結日をもって14日を超えると一切のキャンセルに応じません」
ハルク:「これ……一見まともに見えるけど、実質“呪いの紙”やな」
街の一角で、商会を信じて契約した老婆が泣いていた。
老婆:「言われた通りに契約しただけなのに……解約金で生活がめちゃくちゃに……」
リベル:「……守るってのは、契約の中身まで見る目を持つことだ」