第68話 港町ザイモス──“安心”を売る街」
──リベル一行がたどり着いたのは、
風光明媚な港町ザイモス。
異国情緒あふれる商店街。
温かな潮風と、にぎやかな観光客の声。
だが、どこか“つくられた笑顔”が街全体を包んでいた。
ティア:「……なんか、綺麗すぎるっていうか、変だよ」
ハルク:「やたら『安心』とか『保証』って文字が目立つな……」
看板にはこう書かれていた:
『ホシュヤ商会の“絶対安心生活パック”で、あなたの暮らしは完全保護!』
『資産も健康も未来も、全部任せてグルムで解決♪』
リベル:「ここは、“安心”をお金で売ってる街だな」
港町の中央広場。
そこでは「暮らしの安心EXPO」と呼ばれるイベントが開催されていた。
■「保証付き魔導家電」…わずかな不調でも新品交換(※5年縛り契約)
■「定額安心サブスク」…家具・衣類・嗜好品を“月額固定”で使い放題の名目で高額設定
■「安心暮らしポイント制」…特典付きと称し、不要な買い物を煽るポイント付与制
ミーナ:「これ……全部、法外な金額じゃない!?
こんなに払ってたら生活そのものが不安になるわよ」
ティア:「でも、みんな信じてる。『これで安心できる』って……」
そこに現れたのは──
ホシュヤ商会の代表、ダマス・サマーラ。
ダマス:「おや、旅人さんたち。安心の価値を知らないとは、さては未熟者かな?
“守り”とは知識の差で決まる。無知な者ほど、大きく失う──そういうものだよ」
【スキル発動:リベル】
《仕組みの見抜き》──浪費型契約の構造を分析!
リベル:「このサブスク、使用頻度は平均月2回。
なのに月額は5年分前払い──
“守る”って名の“誘導消費”だ」
ダマス:「ふふふ……ならば証明してみたまえ。“安心”より強い盾があるのならば」