特別編:「幸せの支出ノート──過去と未来をつなぐ1ページ」
──それは、静かな雨の日のことだった。
デルシティの片隅にある古書ギルド「シズマ書房」で、
ティアは1冊のノートを見つけた。
それは、“人生の支出日記”と呼ばれる、匿名の古い手記だった。
『これは、私が人生で使ってきたお金と、
それがもたらした“感情”を記録したノートです。』
ティアはページをめくりながら、目を潤ませていった。
「息子の誕生日に初めて買ったケーキ。小さかったけど、あの笑顔は一生忘れない」
「病床の母へ送ったひまわり。最後に交わせた“ありがとう”は、この1グルムに勝る価値」
「自分の学びに使った参考書。あれが、今の仕事につながっている」
リベル:「数字じゃなく、思い出の中に“満足”が宿ってるな」
ミーナ:「これが……“心が喜ぶ支出”ってやつね」
ハルク:「ほんまの“贅沢”って、心が潤うことなんやな……」
最後のページには、こう書かれていた。
『人は、お金を使うとき、自分の人生を選んでいる。
誰かの真似じゃなく、“自分の幸せの形”に近づくために使おう。
それがきっと、人生全体の幸福度を高める唯一の方法だから。』
──使った“瞬間”が、人生の質を変える。
その夜、ティアは自分のノートを開いた。
『今日、リベルたちと静かな雨の本屋に入った。
ノート1冊の中に、誰かの人生の光が詰まっていた。
あんなふうに、お金を使っていきたい──』
“幸せ”は、いつも静かに灯る。
そして、グルムはそれを照らす小さな明かりになる。
To be continued…
──あなたの“幸福の支出ノート”は、どんなページから始まる?