第66話「人生の優先順位──“豊かさ”を選び取る力」
──「未来支出グランプリ」翌朝。
広場には、昨夜の展示がそのまま残され、
街の人々は立ち止まり、何度も見返していた。
リベルたちも、その中央に立っていた。
リベル:「……人は、“何を使ったか”より、“どう使ったか”で人生を覚えているんだな」
ティア:「うん。心に残る支出って、数字じゃないんだよね」
ハルク:「思い出はレシートには印刷されへんってことやな」
そんな中、デルシティの代表評議員・カリナが現れる。
彼女は、リベルたちの活動に密かに注目していた人物だった。
カリナ:「あなたたちがこの街に残していったもの──
それは、“お金との対話”よ。
支出という行為に、自分の“価値基準”を問う姿勢」
そして、カリナは広場に新たな展示を設けることを提案した。
『わたしの10年後に、渡す手紙』
テーマ:未来の自分に、今の“支出”を説明するなら?
参加者はそれぞれ、自分の支出にメッセージを添えて展示した。
「この旅行は、家族の笑顔を取り戻すためだった」
「高かったけど、憧れを現実にする一歩だった」
「資格講座代。まだ成果は出てないけど、未来の自分、期待してるぞ!」
『この世界で得た“自由”は、使うことへの責任から始まった。
グルムは、未来のオレに宛てた“選択の証明書”だ』
イベントの最後。
カリナは街の新しい標語を掲げた。
『グルムは、人生のナビゲーター。
幸せとは、自分で選び、自分で使うこと。』
【スキル進化:リベル】
《使う力:マスターランク》獲得!
→ “幸福と納得”に整合した資金活用が可能に!
夕焼けの広場で、リベルは空を見上げてつぶやいた。
「……オレ、ようやく“お金が怖くなくなった”かもな」
ティア:「自分を信じられると、使うことが“希望”になるんだね」
ミーナ:「自分を裏切らない使い方──それが“豊かさ”の正体かもね」
こうしてデルシティを後にしたリベル一行は、
次なる街へと向かう。