第64話「その選択、誰のため?──見えざる消費誘導の罠」
──デルシティ3日目。
街の中心区“スパークスクエア”では、
新たな魔導通信広告塔の試験運用が始まっていた。
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「あなたにぴったりの商品を!
毎日がもっと豊かになる!
推しカラーで運気もUP!」
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ティア:「うわ…一日中グルムが喋ってる…」
ミーナ:「しかも“見てるだけで脳波を刺激”とか言ってたよ。完全に選択を誘導してるわ」
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リベル:「これは……“消費に仕向ける魔法”だな」
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彼らは魔導マーケティング研究ギルドの展示に潜入。
そこにいたのは、“感情誘導広告”の開発者──ノモッサ博士。
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ノモッサ:「感情を動かせば、人はお金を使う。
でもね、それは“悪”じゃない。みんな幸せなんだから」
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ハルク:「いやいやいや、待てやオッサン。
その幸せ、ホンマに“本人の意思”なんか?」
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リベルは、ある仕掛けに気づいた。
広告塔は、
個人の購買履歴と感情反応を監視して
“買わされる快感”をループさせていた。
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【スキル発動:リベル】
《思考の主導権》──感情誘導を見抜く!
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ティア:「つまり、“選んでる”つもりで、“選ばされてた”ってこと……!?」
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その夜、リベルたちは“反広告イベント”を開催。
テーマは──『本当にほしかったモノ、思い出せる?』
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買ったけど使わなかったもの
高価だったけど価値を感じなかった支出
誰かの目を気にして選んだモノたち
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その展示の最後に、リベルが貼り出した一文。
『選択は、思考の自由。
お金は、感情ではなく“信念”で使おう。』
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エルナは、《選択の再定義》を覚えた!
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ノモッサ博士:「ふむ……意外と、この反応は嫌いじゃないな」
(そして何より、データが取れる……)
【To be continued…】