第52話:増やす力編最終話「自由の根──それは、積み上げた小さな勝利たち」
──リッチナーン都市・新広場「自由の森」前。
朝の光が差し込み、
リベルたちの作った“仕組み投資ブース”には、
子どもから年配の人まで、たくさんの笑顔が集まっていた。
「こっちは“増配株ファンド”の説明会ね〜」
「今日は“ドルコスト平均法すごろく大会”もあるよ〜」
ティア:「なぁ……これ、夢じゃないよな?」
シュウト:「夢“だった”かもしれないけど、今は現実だな」
ハルク:「あの時、何度もくじけそうになったけど──
“仕組みは育つ”って、本当だったんだな…」
リベルは広場の奥で、魔導板の設定をしていた。
すると、その瞬間──
彼の頭上に、キラリと魔導アイコンが点灯する。
【スキル通知】
《増やす力 Lv.1 → Lv.2 に進化!》
「投資の仕組みを仲間と都市に根付かせた功績により、進化達成!」
「……!」
一瞬、リベルは無言になり──
ふっと、嬉しそうに笑った。
「やっと……オレ自身の“増やす力”も、次の段階へ行けたんだな」
その時、バリ師匠から遠距離通信魔導葉が届く。
バリ師匠の声:「ええやん!ええやん!!」
「やっと“お金の木”を街ごと育てるとこまで来たな!
あとは“収穫”も楽しみにしときぃ!」
ミーナが魔導コーヒーを片手に、
リベルの隣に腰かけた。
「あなたの信じた“退屈な積立”──
たくさんの人の“明日”を変えたのよ」
リベルは静かに言う。
「自由ってのは、突然やってくるもんじゃない。
毎日少しずつ、積み重ねていくもんなんだ」
「そうやってやっと、“本当の夢”が見えてくるんだと思う」
その言葉に、仲間たちはうなずいた。
そして、遠くを見た。
その先には──
次の目的地があった。
「よし、旅を続けよう」
「今度は“稼ぐ力”だ」
「生きる力を得た街の先に──
“生き抜く力”を広めに行こう!」
その背中に、街の人たちが声をかける。
「いってらっしゃい!自由の人たち〜!」
「次の街でも、“本物の魔法”を教えてきてね〜!!」
──こうして、
幻想の塔を乗り越えた者たちは、
仕組みという名の希望を胸に、
次なる冒険へと、歩みを進めた。
【増やす力編──完】
【To be continued… → 稼ぐ力編へ!】