第47話「再燃──信じるものを、もう一度灯す」
──夜、リッチナーンの風は静かだった。
ポンジの「国策投資」宣言により、
都市の大半は再び幻想に包まれていた。
だが、広場の一角。
ぽつりと火が灯る講義スペースがあった。
その真ん中に──リベル・アーツが立っていた。
「オレは、“仕組み”を信じてる」
「それは派手じゃない。儲からないって言われる。
でも──自由ってのは、地味な積み重ねの上にしか咲かないんだ。」
その言葉に、仲間たちが立ち上がる。
ミーナ:「私は、節約で貯めたお金が、
“明日の安心”になってることを知ってる」
ティア:「修理屋やってた頃、
毎月の配当があるってだけで、“怖さ”がなくなった」
シュウト:「オレは……夢で全部失って、
地味な積立で、初めて“信用”ってのを手に入れた」
ハルクが拳を掲げる。
「自由ってのはな、“コツコツ積んだ誇り”だろうがよ!!!」
リベルが、魔導板を掲げた。
『自由の設計図』
『コツコツ積立 × 分散 × 長期 × 増配 × 信用』
『= 人生の“基礎”になる資産』
「オレたちは、奪う夢じゃなく──
“育てられる希望”を選ぶ!!」
その声が、街の片隅にいた人々の心を揺らした。
「……確かに、地味だけど、あっちの方が……」
「“夢の売人”にしがみつくのは、なんか違う気がする」
「自分の力で、自由を作ってみたい……」
その夜、リベルたちの講義スペースには
再び“火の灯ったランタン”が次々に増えていった。
そして、遠くからそれを見ていた一人の男がいた。
──ラビット・ポンジ。
彼は静かに、笑った。
「……やはり、君たちは面白い」
「だが、次こそ“決着”だ。
幻想と現実、どちらがこの都市の王となるのか──」
【To be continued...】




