第39話「配当という名の自由──“お金が働く”力の実感」
──リッチナーン都市、リベルたちの活動拠点。
ポンジの“ドリーム・ステッププラン”が街を席巻する中、
リベルたちは静かに対抗の準備を進めていた。
「地味な積立だけじゃ、あいつに勝てないかもしれない」
ティオが真剣な顔で言う。
「リターンが見えにくいと、また“夢”に惹かれる人が出る……」
リベルは頷き、魔導端末を操作した。
「だから今日は、“収入を生む資産”──配当の力を伝える」
ミーナが魔導板に図を出す。
《インデックス(資産の成長)》
《高配当株(収入を得る)》
《増配株(年々配当が上がる)》
「これはね、資産が“働いてくれる”という状態なんだ」
「持ってるだけで、定期的に“配当”が振り込まれる。
それを生活費に充てたり、再投資したりもできる」
シュウトが驚いた顔で言った。
「……それって、もう“バイト代”みたいなもんじゃないっすか!?」
「そう。しかも休まず働くバイトだ」
「最初は少しだけど、増配株なら毎年給料が上がる」
ハルクが唸る。
「つまり、オレが稼いでる横で、資産がもう一人のオレみたいに働くってことか」
「最強の相棒ってわけだな!!」
その夜。
リベルたちは、配当金で買った食材を広場に持ち寄り、
【“お金が働いた結果”の無料食事会】を開催した。
「これは、全部“資産が働いて得たお金”で買ったものです」
リベルの言葉に、広場がどよめく。
「私たちは何もしていない。
でも、仕組みが収入を生んでいる。」
「これが──“自由を育てる投資”の力です」
群衆の中にいた少年が、ぽつりと言った。
「オレも……“働いてもらう側”になってみたい」
それが、静かに、広がっていった。
「幻想に酔わなくても、確かな一歩を積み重ねることはできる。
そして、自由は確かに近づいてくる」
リベルは、星空を見上げながら呟いた。
「さあ──次は、“希望を壊さずに勝つ”段階に進もう」
【To be continued...】