第32話「家計チャレンジ・第一週!最初の壁」
──家計チャレンジ大作戦、第一週目。
マネヘル村の人々は、
意気揚々と"8割生活"に挑み始めた──
はずだった。
ティオが、
ため息をつきながらリベルたちに駆け寄る。
「リベルさん……やばいかも……」
「友達に誘われて、
新しい魔導タブ石、見に行っちゃったんだ……」
「そしたらさ、最新型のやつが!!
今なら分割払いで、初月無料って!!!」
(──きたか)
リベルは、心の中で苦笑した。
俺は、ティオに静かに聞いた。
「ティオ。
買う前に、ちゃんと考えたか?」
「──これは、消費か?浪費か?それとも投資か?」
ティオは、
うつむいて小さな声で答えた。
「……浪費、だよな……」
俺は、ティオの肩を叩いて言った。
「失敗してもええ。
大事なんは、"気づいて"、"やり直す"ことだ。」
「それができた時、
本当の自由が近づいてくる。」
ティオは、ぎゅっと拳を握った。
「……次は、ちゃんと考えて選ぶ!」
俺は笑った。
「それでいい!!」
──同じ頃。
他の村人たちも、
さまざまな誘惑と戦っていた。
ハルクは、友達に誘われた酒場で衝動的に大盤振る舞いしそうになった
ミーナは、かわいい服を買いそうになってぐっとこらえた
みんな、
小さな失敗と、小さな成長を繰り返していた。
夜。
広場で開かれた「進捗報告会」。
みんな、
恥ずかしそうに、でも誇らしげに報告した。
「オレ、今月の交際費、先月より2割減った!」
「オレも、浪費に気づけた!」
「まだ完璧じゃないけど、前より絶対マシになった!」
リベル・アーツは、
仲間たちの姿を見て、静かに胸を熱くした。
(──これだ)
(この一歩ずつが、自由をつかむ道なんだ)
(そして──)
(オレたち自身も、
もっともっと成長していけるはずだ!!)
リベルは、拳を握りしめた。
【To be continued...】