第25話「再び、マネヘル村へ──貯める力を完成させるために」
──天領区を後にして数日。
俺たち、リベル・アーツ一行は、
再び【マネヘル村】の門をくぐった。
かつて、
通信費の見直しで自由を取り戻し始めた村。
しかし──
村の空気には、どこか不自然なざわめきが漂っていた。
広場を歩けば、
以前より立派な乗り物(この世界で言うところのマギキャリッジ=魔導馬車)があちこちに停まっている。
──どれも、見栄えだけはいい。
でも、乗り手たちは疲れ切った顔をしていた。
さらに。
道の両側には、
派手な住宅が乱立していた。
無理なローンで建てたことが、
外観の派手さとは裏腹に、
村全体の空気を重くしている。
そして、
村人たちの会話に耳を傾ければ──
「また保険料上がったらしいぞ……」
「マギキャリッジの維持費で、給料ほとんど消えた……」
「家のローン、あと30年残ってるってよ……」
そんなため息ばかりが聞こえてきた。
(……まだ、
まだ俺たちの仕事は終わってなかったんだ)
俺は、拳を握った。
村の隅で、
ティオと再会した。
彼は苦笑いしながら言った。
「リベルさん……オレたち、
通信費は見直したのに……」
「結局、別の固定費に潰されそうになってるんだ……」
(──やっぱり)
リベル・アーツは、静かに頷いた。
「次は、ここだ。」
✅ 保険の見直し
✅ 移動手段(マギキャリッジ費用)の見直し
✅ 住宅ローンの見直し
✅ そして、支出管理の徹底
これらを完成させて初めて、
本当に"貯める力"を完成させることができる。
ハルクが、にやりと笑った。
「オレたち、
もう一回やるんだな!」
ミーナも、拳を握った。
「今度こそ、
徹底的に支出を管理して、
本当の自由を手に入れる!!」
俺は、
静かに空を見上げた。
(──よし、行こう)
マネヘル村、第二の自由改革。
ここから、
"真の貯める力"を、村人たちに刻み込む──!
【To be continued...】




