第21話「決戦、ホケマクリ村──第一ラウンド!」
──翌朝。
ホケマクリ村の広場は、
異様な緊張感に包まれていた。
村の中央に、
黒ローブを纏ったホケヤ支部長と、
その部下たちがずらりと並んでいた。
一方、こちら側には──
俺、リベル・アーツと、ハルク、ミーナ。
そして、勇気を出した村人たちが並んでいた。
(──とうとう、来たか)
ホケヤが、不気味な笑みを浮かべる。
「ずいぶん好き勝手やってくれたな、リベル・アーツ」
俺は、怯まずに睨み返す。
「好き勝手?
──自分の金を、自分の意思で使う。
それのどこが悪い?」
ホケヤは鼻で笑った。
「甘いな。
人は自由を与えられると、不安に負けるんだよ」
ホケヤは、村人たちを見渡しながら、声を張り上げた。
「保険を捨てたお前らは、いざという時、誰も守っちゃくれねぇ!
事故に遭ったら? 病気になったら?
──自由なんて、命を削るだけだ!!!」
広場が、ざわつく。
村人たちの顔に、不安の色が浮かぶ。
(──これが、ホケヤの戦い方か)
恐怖を煽り、
自ら鎖に戻らせようとするやり口。
だが──
俺は、一歩前に出た。
「……自由は、命を削るものじゃない」
俺は、静かに、力強く言った。
「──自由とは、
自分の人生を、自分で守る覚悟だ!!!」
村人たちの目が、少しずつ変わっていく。
俺は続けた。
「不安だからといって、全部を保険に任せたら、
未来は何も残らない!!」
「必要なリスクには、最低限の備えを!
無駄な支払いは切り捨てて!
──自分の力で、未来を切り拓くんだ!!」
ハルクとミーナも、続けて叫ぶ。
「オレたちは、自分で選ぶ!!!」
「自分で、自分を守る!!」
ホケヤの顔が、ひきつる。
だが、支部長はなおも不敵に笑った。
「ほぅ……
なら、これから本当に"リスク"を味わってもらおうか」
ホケヤは、
**ギルド独自の"リスク評価書"**なるものを村人たちに突きつけた。
内容は──
「保険に入っていない者は、村の支援を受けられなくなる」
「事故・災害時の自己負担額が倍になる」
……そんな"暗黙の脅し"だった。
(チッ……やっぱり、簡単には引かないか)
こうして、
ホケヤ支部長との戦い、第一ラウンドは幕を開けた。
こちらも作戦を練り直さなければならない。
──でも、
俺たちは、絶対に負けない。
貯める力で、
そして未来への覚悟で、
この村に──
本当の自由を取り戻す!!!
【To be continued...】