第181話 「ひとりじゃない道──仲間と描く現実世界のギルド」
──“個人の副業”だと思っていた。
noteも、クラウドワークスも、メルカリも、全部“ひとりでやること”だと。
でも──違った。
リベシティでの交流が増えるにつれ、健太郎の価値観はゆっくりと変わっていった。
「自分にとって“当たり前のこと”が、誰かには“貴重な経験”なんですよね」
「文章書ける人、めっちゃ重宝されますよ」
「〇〇さんのnote、実は参考にしてました」
それは、異世界でリベル・アーツとして旅していた頃、
鍛冶屋が鍛えた武器に、魔導士が魔法を乗せ、
最後に剣士が振るって初めて“強さ”になった──
あの“協力してこそ、力になる”感覚とまったく同じだった。
◆
ある日、いつものようにリベシティの掲示板を覗いていると、目にとまる投稿があった。
【小規模な発信プロジェクト、一緒にやりませんか?】
「副業・節約・日常をテーマにした“読みもの”形式のブログを、仲間と立ち上げたいと思っています」
(……オレの経験、役に立つかも)
そう思った健太郎は、投稿者にDMを送った。
やりとりは驚くほどスムーズで、数日後──オンラインミーティングが開かれた。
◆
画面の中には、3人のメンバー。
・ライティングと構成担当:健太郎
・画像デザインを担当する副業イラストレーター
・SEOやブログ運営に詳しい、元ウェブディレクター
まるで現実世界に現れた、**“ギルド”**のようだった。
方向性、テーマ、更新頻度──話し合いは熱を帯びていく。
健太郎は、ふと気づいた。
「これはもう、オレひとりの副業じゃない。
仲間と“何かを創る”ステージに来たんだ」
そう思えたとき、胸の奥が温かくなる。
(リベシティって、現実世界の“冒険ギルド”だったんだな)
◆
プロジェクト名は「リベの灯火」。
「灯すだけじゃなく、少しだけ“周りも照らせるように”」
誰かがそう言って、皆が笑った。
──異世界でも、こんな夜があった。
焚き火を囲み、次の街をどう作ろうかと語り合った、あの夜。
「もう“あっちの世界”には戻れない」
でも、現実でも“似たもの”は作れる。
いや、もう作っている。
◆
その夜、健太郎は黒いノートにこう記した。
『オレは今、“等身大の街づくり”をしている。
強さじゃなく、つながりと工夫で生きていく。
リベシティは、その拠点だ。』
“ひとりじゃない”と気づいた瞬間から、
人生は“誰かと共に創るフィールド”に変わっていく。
【次回予告】
仲間と立ち上げた“リベの灯火”。
その小さなブログが、誰かの心に届いた──
「あなたの記事、きっかけになりました」
次回・最終話(完結編):
「この現実こそが、オレのリベシテ」