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第180話 「リベシティで出会った仲間たち」

──“人とのつながり”が、こんなにも心を軽くするものだったのか。


 


リベシティに入って2週間。

健太郎は、毎日のように掲示板を覗くようになっていた。


自己紹介スレッドで出会った人、

副業サロンで何気なくコメントを返してくれた人、

家計改善サロンで同じ通信プランをおすすめしていた人──


みんな、どこかに“共通の温度”を持っていた。


 


「誰も否定しない」

「知識がないことは恥じゃない」

「でも、学ばないままではもったいない」


 


それは、健太郎が異世界で一度味わった“安心して努力できる場所”の再来だった。


 



 


ある日、副業スレッドにこんな投稿があった。


【note・ブログで収益化してる方、情報交換しませんか?】

まだ駆け出しですが、同じように頑張ってる人たちと繋がれたら嬉しいです!


 


何気なく「いいね」を押した健太郎に、すぐにDMが届いた。


「よければ、軽く雑談会とかしませんか?

 Zoomとか使って、週末に1時間くらい」


 


健太郎は、少しだけ悩んだ。


(顔も知らない人と、ビデオ通話……)


でも、結局「いいですよ」と返事をした。


──“リベシティでつながる”というのは、

ただのテキスト上のやりとりだけじゃない気がしたからだ。


 



 


土曜の夕方、スマホ越しに始まったZoom通話。


画面には、年齢も性別もバラバラな3人の顔が映った。


・独立を目指す30代のデザイナー

・家計改善を発信する主婦ブロガー

・地方で副業に挑戦中のサラリーマン──そして、健太郎。


 


共通点はひとつだけ。


「変わりたい。自由に近づきたい」


その思いだけで、会話は想像以上に弾んだ。


 


「noteの構成って、どんな感じで考えてます?」

「SNSと連動させると読まれやすいですよ」

「アクセスってどうやって分析してますか?」


 


気がつけば、メモ帳にはアドバイスがびっしりと並んでいた。


(……これが、“情報を共有する”ってことか)


 


誰かが実践して、気づいて、そしてまた誰かに渡していく。


まるで──


“見えない地図を、みんなで描いているような感覚”。


 


異世界の冒険でも、街づくりはひとりじゃできなかった。


仲間がいたから、街は生まれた。


今、現実でも、そんな“街”を作り始めているのかもしれない。


 



 


通話を終えて、健太郎は静かに画面を閉じた。


部屋は変わらず、静かで狭い。

けれど、どこかで風が吹いた気がした。


 


彼は手元の黒いノートに、こんな一文を記した。


 


『つながりは、心を照らす火だ。

 灯してくれた人がいるなら、今度は自分が誰かの火になろう。』

【次回予告】


次回は──

健太郎が「ひとりじゃないこと」を自覚し、

現実でも“小さなチーム”で何かに挑戦しようとする物語。


次回・第34話:

「ひとりじゃない道──仲間と描く現実世界のギルド」

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