第179話 「人生を変えた声──“両学長”との出会い」
──それは、本当に「たまたま」だった。
noteの執筆も一段落し、頭を休めたくてYouTubeを開いた夜。
おすすめ欄に、いつもは出てこないチャンネルが表示された。
《【知らないと損】貯金が増えない本当の理由【お金の基本5つ】》
(なんか見たことあるタイトル……?)
サムネイルには、ネクタイを締めたライオンのキャラクター。
一瞬、ふざけた内容かと思った。
けれど、なぜか「直感」で、再生ボタンを押していた。
◆
「こんにちは、両で〜す!
今日は“お金の勉強”の話をしようと思います!」
第一声で、「何かが違う」と感じた。
明るく、早口なのに、すっと頭に入ってくる。
テンポが良くて、でも中身がしっかりしている。
──それが、健太郎の第一印象だった。
「この世の中には、“お金のことを学校で教えてくれない”という致命的な欠陥があります。
だけど、学べば変えられる。“自由な人生”を目指すには、この5つの力が必要なんやで!」
画面に現れた文字──
『貯める力』『稼ぐ力』『増やす力』『守る力』『使う力』
(……え?)
健太郎は、思わず椅子から前のめりになった。
──それは、あの異世界でリベル・アーツとして手に入れた“5つの力”と、まったく同じ言葉だったからだ。
「これは、偶然なのか……?」
頭の中で、これまでの経験がフラッシュバックする。
退職、メルカリ、クラウドワークス、note、簿記。
全部が、導かれるように“そこ”へ向かっていたかのように感じた。
◆
動画を見終わる頃には、健太郎の目は冴え渡っていた。
そして、無意識のうちに検索していた。
『お金の大学 本』
『リベシティ』
『両@リベ大学長』
翌日、近所の本屋で見つけた。
平積みになっていた鮮やかな水色の表紙。
『本当の自由を手に入れる お金の大学』──
まるで、自分のために書かれたようなタイトルだった。
ページをめくるたび、驚いた。
すでに実践してきたことが、たくさん書いてあった。
けれど、「体系立てて」理解できるのは、これが初めてだった。
(オレは、たまたま“体験”してきただけだったんだ──)
学びを得ることの意味。知識を持つことの強さ。
そして、コミュニティの存在──
『リベシティ。
“自由を目指す仲間”とつながる、オンラインの街。』
その説明を見たとき、健太郎の心に確かなものが灯った。
「また“あの世界”に戻れるかもしれない。
いや、違う。“今いるこの現実”こそが、
オレのリベシティになっていくんだ」
スマホの画面をスクロールし、震える指で「入会」ボタンを押す。
──ようこそ、リベシティへ。
◆
部屋の片隅に置かれた、あの黒いノート。
今、そこにもうひとつ、新たな名前が加えられる。
『第六の力:つながる力』
それは、“学び”と“実践”を経て、
ようやく健太郎が手に入れた、現実世界での新たな力だった。
──自由への道は、まだまだ続く。
だがもう、ひとりではない。
次回予告】
リベシティの掲示板に投稿した健太郎の記事が、
予想以上の反響を呼ぶ──
明日で最終回です、、、。
ラストに向けて、全力投球で行きますね!