表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
187/192

第177話 「脳みそが過労死しそうだ。簿記と副業と睡眠不足の日々」

──眠い。けど、やる。


 


朝6時、目覚ましより早く起きて机に向かう。

コーヒーを淹れ、テキストを開き、まずは仕訳の復習。


 


「借方:通信費 貸方:現金──」

(いや、これはKyashで払ったから“預金”か……?)


 


クラウドワークスで得た収入を“売上”、

Adobeのサブスクを“通信費”、

スマホ代は“通信費”にあたるのか、それとも“事業主貸”か──


 


考えるたび、頭がフリーズする。


 


(なんで会社員のとき、こんな基本も知らなかったんだ……)


 


今さらながら痛感する。


お金の流れを理解するには、“数字の言語”が必要だということを。


 



 


昼間はクラウドワークスのライティング業務。


3,000字の記事を納品し、クライアントから

「SEOの知識が増えてきましたね!」と褒められた。


──だが、その報酬の会計処理に戸惑う。


(これは“税込”か? 源泉徴収あるのか? 青色申告の時どうする?)


 


学んでいるつもりなのに、実務に落とし込もうとすると混乱する。


 



 


夜はnoteの反応チェック。


先日公開した「クラウドワークスで初報酬を得るまでの全記録」が、

地味に売れ続けている。


「これ、めちゃくちゃ参考になりました!」

「今の自分にピッタリなnoteでした」──


そんなDMを見るたびに、またやる気が戻ってくる。


 


(オレの“経験”に価値を感じてくれる人がいるんだ)


でも、喜んでばかりいられない。

noteの売上も簿記的には“売上”扱いだ。

つまり、帳簿への記録と税金の対象になる。


 


ここでも簿記知識が必須。


(……つまり、オレは今、

 “学んだことを、すぐに現実に活かしてる”んだ)


 


ようやく、この努力が“地続き”になっていることを実感する。


 



 


ある晩、健太郎はノートに記す。


『学びながら稼ぎ、稼いだらまた学び、

 さらに価値を高めてまた稼ぐ──。

 これが、自由になるための“ループ”なんだ。』


 


テキストの最終ページを開いたとき、

健太郎の手は、少しだけ震えていた。


「次は模擬試験。合格ラインは70点以上」


 


簡単ではない。


でも、少しずつ「お金の言葉」がわかるようになってきた今──

怖さよりも、「早く知りたい」という好奇心が勝っていた。


 



 


──そして試験当日。

CBT方式(パソコン受験)で行われる日商簿記3級。


緊張しながらも、出題された仕訳に手応えを感じる。


「これ、オレが昨日noteで使った取引と同じじゃん──!」


 


時間ギリギリで終了。

画面に表示されたスコアは──


 


《正答率:76% 合格です》


 


その瞬間、健太郎は拳を握った。


(やった……!)


 



 


帰宅後、合格証をプリントアウトして、ノートの表紙に貼りつけた。


その横に、こう書き添える。


『勉強は、人生のアップデートだった。

 自分の“ビジネススキル”が、ちゃんと育っている。』


 


そして、noteの新作に着手した。


「未経験でも簿記3級に独学合格する方法」


──それは、また誰かの“最初の一歩”を支えるnoteになるはずだ。


 

次回予告】


学びの成果をnoteで再販。

そこに、新たな出会いが──


「記事、読みました。ぜひ、うちで“もっと本格的な”仕事しませんか?」


次回:「企業案件の誘い。無名ライターに舞い込んだ転機」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ