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第175話 「副業の落とし穴。“信用”を失わないために必要なこと」

──「おい健太郎、お前の名前が“転載”されてるぞ」


 


深夜。友人からのLINE通知で、健太郎は目を覚ました。


URLを開くと、そこには──


クラウドワークスで納品したばかりの自作記事が、

まるごとコピペされた状態で、無断転載されていた。


 


(……は? なんで?)


 


掲載されていたのは、いわゆる“まとめ系サイト”。


著者名の記載はなし。

クライアント名も無関係。


だが、文末の言い回し、段落構成──すべてが“自分の文章”だった。


 



 


翌朝、健太郎はすぐクラウドワークスに問い合わせを出し、

念のためクライアントにも連絡をとった。


 


クライアントからの返答は、誠実なものだった。


「納品いただいた記事は当方で問題なく使用しております。

転載サイトの件は確認しておらず、当方とは無関係です」


 


──つまり、第三者がどこかで健太郎の記事を拾い、

無断で転載していた可能性が高いという。


 


ネット上にコンテンツを公開する以上、

“盗用リスク”はゼロにならない。


けれど──


それ以上に健太郎を焦らせたのは、「自分の信用」が傷つくことだった。


 


(……こんなことで、クライアントからの信頼を失いたくない)


 



 


健太郎は、自分の行動を整理した。


・記事の著作権は原則クライアントにあること

・外部転載された場合、まずは事実確認と証拠保存

・クラウドワークスのサポートに通報済みであること


 


これらを丁寧にまとめ、Slackでチームに報告した。


 


「今回の件について、私の意図しない転載があったため報告いたします。

ご迷惑をおかけすることがあれば、心からお詫びします。」


 


──そして、返ってきたのは温かい言葉だった。


 


「迅速に対応してくださり、ありがとうございます!」

「むしろ“健太郎さんの記事”だから転載されたんでしょうね」

「信用は、こういうときに守るものですよね」


 


健太郎は、ようやく安心して深く息を吐いた。


 


 



 


“稼ぐ”ことに意識が集中しがちな副業。

けれどその裏には、「信用を築く」「守る」努力が欠かせない。


 


ノートにこう記した。


『仕事は“信用”で成り立ってる。

成果だけじゃない。対応もまた、評価されるスキルだ。』


 


 



 


その夜、健太郎はリベシティの動画をもう一度見直した。

そこにあった一文が、深く胸に響いた。


「副業は、自分という“ブランド”を築く仕事。

お金よりも先に、“信用”を積み上げることが先だ。」


 


健太郎は、また一つ“リアルな強さ”を知った気がした。


 

【次回予告】


簿記試験も目前。クラウドワークスの報酬も安定。

だが──健太郎は次なる挑戦へ踏み出す。


「オレ自身の“商品”を売ってみたい──!」


次回:「noteで売る“自分の経験”。無名のオレに、価値はあるのか?」



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