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第174話 「人生に、学び直しは遅すぎない──簿記3級、はじめます」

──収支の記録をはじめ、帳簿月報を作った健太郎。

だが、数字を眺める中で、ある“もどかしさ”が湧き上がっていた。


 


(……これで本当に、オレ、ちゃんと理解できてるのか?)


 


クラウドワークスの収入。

Kindleの印税。

メルカリの売上。

Kyashの支払い履歴。


すべてマネーフォワードに連携し、数字は“見える化”されている。


だが、「仕訳」や「勘定科目」といった言葉の意味が、まだ曖昧だった。


 


(稼げるようになるほど、“わからないこと”が怖くなるんだな……)


 



 


そんなある夜、リベシティの動画を見ていると、

“簿記3級のすすめ”というタイトルが目に入った。


 


「個人事業主にとって、簿記は“武器”になる」

「お金の流れを“理解できる言葉”にするのが簿記です」

「税理士に丸投げするにしても、最低限の理解は必要」


 


──その言葉が、胸に刺さった。


 


(そうだ。オレ、わかった“フリ”してただけだった)


 


自己投資は、“未来の自分への仕送り”だ──と、誰かが言っていた。


 



 


健太郎は、書店へ向かい、

「スッキリわかる 日商簿記3級」のテキストと問題集を購入した。


そして、ノートにこう記した。


『リベシティ式・5つの力に「学ぶ力」を加える。

知らないことを放置せず、学び直すのが“大人の自由”だ。』


 


 


勉強は、簡単ではなかった。


「資産」「負債」「費用」「収益」──

見慣れない言葉が並び、最初は混乱の連続。


 


だが、Kindle出版やクラウドワークスで得た収入を

“売上”として仕訳してみると、ぐっと現実味が増した。


 


(あ、これってあの報酬だ。じゃあ、必要経費は“費用”になるんだ……!)


 


仕訳が“自分の人生”に結びついた瞬間だった。


 



 


朝、ライティング。

昼、案件チェック。

夜、簿記の勉強。


そんな一日を過ごしながら、健太郎はふと思った。


 


「なんか、学生に戻ったみたいだな……でも、

      今は“自分のために”勉強してるんだな」


 


大学受験のためでも、就職のためでもない。

“自分の生き方”のために、学び直している。


それが、不思議と誇らしかった。


 



 


翌週、健太郎は「簿記3級ネット試験」の申込みを完了した。


試験日は、ちょうど1ヶ月後。

受験料は2,850円──今のオレには“意味ある投資”だ。


 


ノートに、こう記した。


『収入を得る力は、学ぶことで本物になる。

逃げずに数字と向き合う。その覚悟が、自由へのレールになる。』


 


健太郎は今日も、コツコツと前に進んでいる。

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