表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
183/192

第173話 「脱・素人フリーランス。お金の管理と税金の話」

──それは、あるメッセージから始まった。


 


「これ、報酬合計が10万円超えてますけど、源泉徴収どうされてますか?」


 


──クラウドワークス上で受けた、クライアントからの質問だった。


 


(げっ……そうか、税金……)


 


副業を始めてからここまで、

「稼ぐこと」ばかりに集中していた健太郎は、

報酬明細や所得区分のことを、正直ほとんど気にしていなかった。


 



 


その夜、健太郎はノートを開いた。


「脱・素人」へと進むには、“学び直し”が必要だ──そう痛感した。


 


検索窓に打ち込んだのは、

「フリーランス 確定申告 初めて」

「クラウドワークス 税金」

「雑所得 事業所得 違い」


 


次々と出てくる専門用語に、やや頭を抱えながらも、整理していく。


 


【ポイント整理】

・クラウドワークスの報酬は、基本「源泉徴収なし」

・副業収入が年間20万円を超えると、確定申告が必要

・支出(経費)を計上すれば、課税対象額を抑えられる

・帳簿づけをするなら、「開業届」と「青色申告承認申請書」も検討


(つまり……オレ、“フリーランス扱い”になる可能性あるんだ)


 


これまでの“副業”は、趣味の延長のように感じていた。

だが、報酬が10万円を超え、継続案件も増えている今──

“事業”として向き合わなければならない時期が来ていた。


 



 


健太郎は、マネーフォワード MEで毎月の収支を記録しつつ、

「マネーフォワード クラウド確定申告」の無料プランも使い始めた。


 


Kyashアプリと連携させた収支データ、

メルカリの売上履歴、

Kindleの印税収入──


それらを「収入」として整理し、

Wi-Fi代やノートPC、取材用に使った書籍などを「経費」として分けていく。


 


(今までバラバラだったお金の流れが、一本に繋がっていく……)


 



 


週末、健太郎はリベシティの「お金の大学・フリーランス編」を読み返した。


「事業所得として認められるには、継続性と計画性が必要です。

毎月の収支を記録し、帳簿に残すこと。これが“本気”の証です」


 


──なるほど。


稼ぎ方だけじゃなく、「残し方」「納め方」まで考えて、はじめて“独立”なんだ。


 


健太郎は、ノートにこう記した。


『副業は、稼いだ瞬間から“事業”になる。

書くだけじゃない。“数字と向き合う力”が、自由を加速させる。』


 


 



 


月末。健太郎は、初めて「帳簿月報」を作成した。


・収入:78,500円

・経費:24,300円

・純利益:54,200円


 


税金の申告にはまだ早いが、

“数字として結果を残す”初めての一歩だった。


 


パソコンの画面を閉じると、

いつものようにノートに手を伸ばす。


 


『金を稼ぐことと、金を管理することは別物。

どちらも、“自由”には必要不可欠な力だ。』


 


健太郎は、今日も一歩、現実の自由に近づいていく。

【次回予告】


健太郎が“お金の流れ”に本気で向き合うため、

「日商簿記3級」に挑戦することを決意する物語です。

次回:「人生に、学び直しは遅すぎない──簿記3級、はじめます」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ