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第172話 「初めての“チーム戦”。協業は成長のブースターになるか?」

──「よかったら、チームでやってみませんか?」


 


その一言は、何気ないZoom通話の終盤だった。


声をかけてきたのは、編集歴5年のアラサー男性・リュウジさん。

現在は副業ライターを束ねて、クライアントとやり取りする“ディレクター”として活動しているという。


 


「ひとつ、Webメディアの案件があって。

初心者向け金融系の記事で、チーム組んでやってるんです」


 


──メンバー構成はこんな感じだった。


・構成担当:ベテラン主婦ライター(構成力と読者目線に定評あり)

・執筆担当:2〜3名の初心者〜中堅ライター

・校正・入稿:リュウジさん(責任編集)


健太郎は、その「執筆枠」として誘われた。


 



 


(やってみよう)


即答だった。


 


これまで、ひとりで抱え込んでいた“孤独”も、

たった数人の“チーム”に入ることで一気に変わる気がした。


 


案件テーマは「家計改善シリーズ」。

健太郎が今まで体験してきたこと──

通信費の見直し、保険の削減、生活防衛資金、家計簿アプリ、Kyash運用。


 


「それ、まさにウチの読者層が知りたいやつですよ」


リュウジさんは目を輝かせていた。


 



 


健太郎は、与えられたテーマで記事を書く前に、

“構成案”という新たな壁にぶち当たった。


 


今まで、なんとなく「書きたいように書いて」いた。

だがチーム戦では、読者目線、導線設計、見出しの配置──

すべてが計算された“設計図”としての構成が求められる。


 


「構成の意図がズレると、執筆後に全部修正になっちゃうので……」

編集者の言葉が、プロの現場を物語っていた。


 


だが、健太郎は気づいた。


(これ、Kindleで学んだ“読ませる技術”と似てる)


 


・最初に興味を引く冒頭を書く

・読者の“知りたいこと”に寄り添って展開する

・最終的には「読んでよかった」と思わせる着地をする


 


それは、まさに“伝える技術”の実践だった。


 



 


数日後、構成案がOKをもらい、執筆フェーズへ。


自分の得意分野──「家計簿アプリの使い方と運用事例」という記事。


 


執筆後、校正チームから返ってきたフィードバックには、

丁寧なコメントが並んでいた。


「実体験がリアルで良かったです!」

「文末の表現をいくつか統一しておきました」

「“Kyash”の説明に最新情報を加えておきました!」


 


(ああ……これが“チームで作る”ってことか)


 


ひとりでは気づけない。

だけど、誰かと組めば、もっと良くなる。


 


 


健太郎は、Slackでこんな感謝の言葉を残した。


『はじめての協業で、学びばかりでした。

皆さんと一緒に仕事ができて、本当に良かったです!』


 


その投稿には、すぐに4件の「スタンプ」と「ありがとう」の返信が返ってきた。


 



 


夜。PCを閉じた健太郎は、深呼吸した。


会社員時代には決して味わえなかった、“誰かと支え合って進む”という感覚。


 


ノートに、こう記した。


『副業の世界にも、“チーム”はある。

個人で稼ぐ力の延長に、“共に作る”という喜びがある。』


 


クラウドワークスというプラットフォームを通じて、

健太郎は少しずつ“リアルな稼ぎ方”の奥行きを掴み始めていた。

【次回予告】


チーム案件も増え、報酬も少しずつ安定。

だが──「確定申告?経費?……どうすれば?」

次回:「脱・素人フリーランス。お金の管理と税金の話」

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