第171話 「書くばかりじゃ、煮詰まる夜もある。仲間って、必要かもしれない」
──その夜、健太郎は久しぶりに手が止まった。
キーボードに指を置いたまま、10分。
カーソルだけが、無言で点滅を繰り返している。
(……なんか、出てこない)
タスクが詰まっていたわけでもない。
ネタが尽きたわけでもない。
ただ、書くことに“疲れた”。
孤独だった。
リビングで、ひとり。
相手の顔が見えないまま、画面越しに納品し続ける日々。
もちろん、ありがたい。
でも──味気なかった。
「俺、いつからこんなに黙って生きてるんだろうな……」
◆
そんなとき、ふと目に入ったのは、
クラウドワークス内の“フォーラム”機能。
“初心者ライター同士の交流”や、“おすすめツール共有スレッド”など、
本業・副業を問わず、同じようにパソコンの前で頑張っている人たちの書き込みが並んでいた。
(……見てるだけでも、元気出るな)
その中に、ひとつの書き込みがあった。
「Zoomで軽い情報交換会やってます!
ライター歴半年〜2年の人中心。初心者大歓迎です!」
健太郎は数秒迷って、思い切って「参加希望」の返信をした。
◆
──数日後の夜。
Zoomの画面には、5人の顔。
・主婦ライターのミカさん(育児と両立しながら月5万)
・元・編集者のアラサー男性(ガッツリ受注で月20万)
・大学生のユウキくん(旅行ブログを副業化)
・元専業主婦→Kindle作家→ライターに転身した方
そして、健太郎。
「実は、会社辞めてまだ数ヶ月なんです。最初は生活防衛資金で……」
「おお、それめちゃリアルですね!今、流行ってますよねそのテーマ!」
初めて聞く“自分の話に対する反応”。
孤独な作業とは違う、“空気”があった。
気づけば、1時間があっという間に過ぎていた。
◆
通話を終えたあと、健太郎はひとり言のように呟いた。
「なんか……人と繋がったな」
それは、会社員時代にはなかった“横のつながり”。
上下関係でもない。
ノルマもない。
ただ、「書くこと」で共通した、戦う仲間たちだった。
ノートにこう記した。
『副業とは、個人戦じゃない。孤独でも、孤立しなくていい。
仲間と話すだけで、アイデアが湧く夜もある。』
健太郎は“繋がる力”の大切さを知った。
もしかしたら、これもリベシティの「5つの力」に含まれるかもしれない。
“守る力”“稼ぐ力”“磨く力”──そして“支え合う力”。
【次回予告】
少しずつ繋がりが増えた健太郎は、ある提案を受ける。
「一緒にチームで、Webメディアの記事作ってみませんか?」
次回:「フリーランス、初の“チーム戦”。協業は成長のブースターになるか?」




